和歌山市の美港、危険な廃旅館ついに強制解体 費用7000万円に羽鳥慎一の感想

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   2018年9月に和歌山市の雑賀崎を襲った台風21号の映像が映し出される。画面では強風・豪雨の中、隣家の屋根に飛ばされてきた板が直撃し屋根が壊れていき、電線も切断されていく。そんな台風被害にあった町は5年後、海沿いに家が密集し「日本のアマルフィ」と呼ばれる風光明媚な場所となっていた。

   しかし、この地域には大きな難題があった。今日22日(2023年6月)の「モーニングショー」が取り上げた。

  • 「モーニングショー」公式ツイッターより
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空き家は全国に1400万戸...

   40年間放置されている廃旅館「太公望」が崩壊の危機を迎えているのだ。住民は「いつ倒れてきても不思議じゃないと思う」「毎日、建物のかけらが落ちてきている」と不安を訴える。廃旅館「太公望」は3階建てで、崖の上にある。1975年ごろまで営業していたが、所有者が死亡。相続も放棄され、現在は所有者不明。木造部の屋根は完全に崩れているが、冒頭の台風映像で隣家の屋根を破壊したのが、吹き飛ばされたこの旅館の屋根部分だった。住民は長い間、市に撤去を要望し続けてきた。

   事態が動いたのが3月。市長が略式代執行の手続きを開始し、5月22日期限で公告を出したが、持ち主が現れなかったため、解体が決定したのだ。住民は「よく決断してくれた」「やっとここまで来たかという感じ」と喜んでいる。

   そして6月19日、強制撤去がスタートした。和歌山市によると「令和6年3月には解体を終了したいと考えている」と話す。

   レポートした野上慎平アナは「ただし費用は7000万円かかるということです」と説明。国が2800万円、県が1400万円、市が2800万円を拠出する。空き家問題に詳しい明治大学教授の野澤千絵教授は「強制代執行にかかる費用は年間で5億~7億円。今後はバブル期に建設されて倒産した廃墟旅館などが増えてきているので、費用は増えていく。積み立てや、宿泊税・入湯税の一部を解体費用として利用することも検討するべき」と話す。

   社会起業家の石山アンジュは「解体費用の7000万円を無駄にしないため、観光などで再建していく事例にできたらいいと思う」とコメント。

   弁護士の結城東輝は「こういう事態になると強制代執行しかない。ただし、それが正しいかというと、税金を使うのではなくもっと公平なものがあってもいいとは思うので、野澤先生の提言には賛成です」と話す。

   玉川徹(テレビ朝日報道局員)が「全国には空き部屋が800万世帯あると言われている。相続放棄は権利なので、危ない空き家を全部強制代執行したらものすごいお金が必要になる」と指摘すると、野上アナが「最新の数字では空き家は1400万戸です」と修正。玉川は「1400万戸で1軒100万円だとしたら、14兆かかる計算です」とコメント。

   司会の羽鳥慎一は「一軒家とは違って、この廃旅館ほどの規模になると危険性が違います。これはまあ......解体でしょうね」とコメントした。

(バルバス)

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