2024年 4月 20日 (土)

敵対的TOB失敗 野村の大誤算

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   製紙業界最大手の王子製紙が経営統合を目指し、北越製紙に仕掛けた敵対的な株式公開買い付け (TOB)が不成立に終わり、王子の財務アドバイザー(FA)を務めた野村証券の今後の行方が注目されている。国内の大手企業同士で初の本格的な敵対的TOBを成立させて、野村は国内のM&A(企業の合併・買収)市場で実績をつくる。その上で、今後も予想される敵対的TOBのディールを一手に請け負う戦略だった。その挫折は、野村のイメージダウンにつながりそうだ。

   今回の敵対的TOBでは、黒子役のFAをどこが務めるかが注目された。王子についた野村は、北越の主幹事証券会社を務めている。王子の主幹事は日興コーディアル証券と野村が持ち回りとなっており、現在の会社四季報上の主幹事は日興。つまり、日興が主幹事である王子製紙が、北越の主幹事の野村と組むという、ねじれた関係にあった。

敵対的TOBの主幹事は外資系証券会社だった

東京都中央区の王子製紙本社。野村証券は王子の財務アドバイザー(FA)を務めた
東京都中央区の王子製紙本社。野村証券は王子の財務アドバイザー(FA)を務めた

   これまで、日本の大手証券会社は、取引先との摩擦を避けるため、敵対的TOBにかかわることを避け、結果として敵対的TOB案件の主幹事は外資系証券会社が務めてきた。今回、野村が敵対的TOBのFAを務めただけでも話題を呼んだが、証券業界では王子と北越の主幹事証券がネジレたことも、「ビジネス優先の野村のなりふり構わぬ行動」として話題をよんだ。

   北越は、本来は頼りにするはずの野村の「裏切り」を受けて、急遽、クレディ・スイス証券をFAに選任せざるを得なかった。王子のTOB阻止に伏兵の役割を果たした日本製紙グループ本社のFAは、モルガン・スタンレー証券が務めるなど、野村以外の日本の大手証券は出る幕がなかった。

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