メガバンクと地域金融機関 ゆうちょ銀行めぐり亀裂

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   ゆうちょ銀行の業務拡大を巡って、メガバンクと地方銀行など、地域金融機関との亀裂が生じている。「民業圧迫だ」と強硬なのが地域金融機関だが、ゆうちょ側からは「巨大金融機関がつぶれて、金融システムそのものが混乱してもいいのか」と恫喝されている。

   全銀協の畔柳信雄会長(三菱東京UFJ銀行頭取)が2007年10月に郵政民営化で発足する「ゆうちょ銀行」について、これまでの2017年の完全民営化まで新規事業を一切認めないとする強硬路線から、おおむね容認する方向に転じたことが騒動のきっかけ。一部マスコミは、約195兆円の巨大な「ゆうちょ銀行」の経営が立ち行かなくなれば、金融市場に大きな混乱を来たし、民間金融機関に影響を及ぼすことから、現実路線に切り換えた、と報じた。

地銀と競合するのは、メガバンクよりも、ゆうちょ銀行

「ゆうちょ銀行」は地銀と競合?
「ゆうちょ銀行」は地銀と競合?

   ところが、発言の翌日の06年9月13日には全銀協の副会長でもある全国地方銀行協会の瀬谷俊雄会長(東邦銀行頭取)が「(ゆうちょ銀行には)協調融資など明らかに事業拡大の意欲がうかがえ、民業圧迫の深刻化を招きかねない」と発言。畔柳発言に不快感をあらわにした。当の全銀協も、畔柳発言をあわてて打ち消し、「適正な規模への縮小と、移行期における民間金融機関との公正な競争条件の確保が不可欠だ」などとする"修正"コメントを発表した。

   地域に根差した地域金融機関と、世界へ進出して国際競争にさらされているメガバンクとは、「(ゆうちょ銀行の誕生への)危機感のレベルも違うし、金融ビジネスに対する考え方も違う」(地銀の役員)。地銀などはメガバンクよりも、ゆうちょ銀行との競合が予想されており、当初から政府出資が残るあいだの新規業務の進出に強く反対していた。信用金庫業界などからも「(畔柳発言は)勇み足にもほどがある」(東京都内の大手信金役員)と怒りを買った。ゆうちょ銀行の業務範囲をどこまで容認するのか、銀行界は一枚岩ではない。
   ゆうちょ銀行審査にあたる郵政民営化委員会が示した「骨格」はこんな内容だ。ゆうちょ銀行は233の直営店を展開し、現在1,000万円の郵便貯金の預入限度額の引き上げ・撤廃、信託業務に株式等の仲介、金利スワップ、中小企業向け融資、大企業向けのシンジケートローン、個人向けの住宅ローンや消費者ローンにクレジットカード業務、外貨預金の取り扱いなどに進出する。さらに、銀行間の決済業務を行う全国銀行データ通信システム(全銀システム)への加入を求め、郵貯と民間金融機関の相互送金(一部では実施)も実現したいとしている。
   つまり、「基本的には、いまの民間金融機関でできる業務を認めてください」(地銀幹部)といっているわけだ。
   ある第二地銀の役員は、こう説明する。

「ゆうちょ銀行が発足したとたんに倒れて、いまの金融システムを大混乱に陥れるのと、ゆっくり時間をかけて、とにかく経営を落ち着かせるのと、どちらがいいですかと。金融システムを壊すわけにはいかないですね、と恫喝しているわけですよ」

   「潰していいのか」と脅されれば、銀行界は現実路線に修正するしかなくなる。

ゆうちょの本音は「シンジケートローンなど大企業取引をしたい」

   地銀などは、「業務拡大は完全民営化後。競争条件のイコールフッティングが保証されなければ認めない」(大手地銀の幹部)と主張する。しかし、その一方で巨大な資金量を持つゆうちょ銀行が立ち行かなくなったとき、金融市場が混乱して、その影響を大きく受けるのも地域金融機関だ。業務拡大を容認してもしなくても、「ババを引くのは地銀だ」(大手地銀の幹部)とのジレンマがある。
   それどころか、金利が上昇局面に転じ、貯金金利が上昇。また国債等の運用では巨額の含み損を抱えることになる。ゆうちょ銀行にとって悪材料ばかりが目につく。そのため、融資業務への進出は“存続”を前提にすれば「認めざるを得ない」(大手地銀の幹部)といえる。
   ゆうちょ銀行の本音は、個人ローンなどでチマチマ稼ぐのではなく、シンジケートローンなどの大企業取引にある。
   ある地銀関係者は、「そもそも住宅ローンや個人ローンで賄えるような資金量ではない。ホールセールに進出するしか郵貯に生きる道はない」と、法人取引への進出を半ば容認する。
   ただ、容認しても問題は山積する。個人取引しか手がけてこなかった郵貯には、メガバンク並みの大企業取引などノウハウがない。そこで必要な人材を、メガバンクや大手地銀に求められることにもなりかねない。
   あるメガバンクの関係者はいう。「最終的な落としどころは、まったくわからない。業務に実務はつきもの。机の上で決まったことがすんなり運ぶほど簡単な話ではない」。

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