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みずほ証券VS東証 誤発注裁判の行方混沌

2006/12/11      このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ!   Yahoo!ブックマークに登録   newsing it!   コメント  

   2005年12月に起きたみずほ証券ジェイコム株の誤発注から2006年12月8日で1年を迎えた。東京証券取引所はこれまでに再発防止のため、一定の数量を超える注文を受け付けないなどチェック機能を強化した。証券市場を混乱させた大量誤発注は、同証券が東証に損失額など約415億円の支払いを求める損害賠償請求訴訟を10月に東京地裁に提訴し、異例の法廷闘争にも発展。慌てた日本証券業協会と東証が誤発注で成立した株取引の約定を取り消す制度の創設を模索し始めた。誤発注が残した爪痕は、まだしばらく癒えそうにない。

東証は「多額の弁済をする必要はない」と拒否

誤発注裁判の行方はどうなる?
誤発注裁判の行方はどうなる?

   誤発注が起きた05年12月8日は、総合人材サービス業のジェイコムが東証マザーズに上場した日だった。みずほ証券の社員が「61万円で1株」とすべき売り注文を、誤って「1円で61万株」とコンピューターに入力ミスしたのがパニックの発端だ。この社員はミスに気付き、注文を取り消そうとしたが、東証の売買システムが不備だったため受け付けてもらえず、5億円前後で済んだはずの損失額が約407億円に膨らんだという。

   同証券は諸費用を含む約415億円の支払いを求めているが、東証の西室泰三社長は「多額の弁済をする必要はない」と拒否。12月15日には第1回口頭弁論が開かれるが、公判の行方は混沌としている。
   東証は再発防止のため、これまでに(1)上場株式数の30%を超える注文を受け付けない(2)新規上場銘柄の初値決定前の注文には一定の計算式に基づく価格帯を設けて制限する――などの対策を実施した。異常取引がないかを監視する専任の担当者も配置。東証との取引に参加する全証券会社110社と、いざという時に緊急連絡を取れるホットラインを設けるなど、監視・連絡体制も強化した。

誤発注のみ、株取引を取り消すことができることに

   だが、これらの対策を講じても、想定を超える誤発注が起きる可能性は否定できない。このため、日本証券業協会は11月、誤発注で成立した株取引の約定に限り、取り消すことができるよう全国の証券取引所に要請した。取引所と証券会社が結んでいる現行の契約では、誤発注でも一度成立した株取引の約定は取り消せない仕組みになっている。みずほ証券の誤発注では、東証が天災などの緊急時に適用する例外的な規定を初めて用いて、強制的に精算する「現金決済」を行った。

   東証は証券業界の要請に応え、約定を取り消す制度を来春にも新設するため、誤発注から丸1年たった12月8日に「約定取消に関するワーキンググループ」を発足させ、遅ればせながら検討を開始した。東証は「誤発注だからといって、何でもかんでも約定を取り消せるわけではない」と漏らすが、誤発注の最終的な解決手段ともいえる約定取消制度を完備しなければ、証券会社も東証も枕を高くして眠れないのかもしれない。

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