「採血器」使い回し18万人 自治体、メーカーのずさんさが浮き彫りに

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   使い回しの対象者は18万人以上――読売新聞の調査でこんな実態が明らかになった「採血器使い回し事件」。厚生労働省では、2年ほど前から「使い回し」をしないように注意喚起するなどしてきたが、自治体がこの通達を医療機関に伝えなかったり、メーカーが厚労省の指示に従わなかったりして、安全対策システムが「空中分解」していた事態が次第に分かってきた。

製品に「注意シール」貼り付けないで出荷

今回問題となった採血器具(厚労省の資料より)
今回問題となった採血器具(厚労省の資料より)

   2008年6月25日付の読売新聞によれば、同紙の調査で、少なくとも36道府県で採血器具の使い回しがあり、使い回しの対象者は延べ18万人以上に上ることが明らかになった。また、11都県が「調査中」と回答を保留しており、実際の対象者はさらに多くなるようだ。

   この問題は、島根県の医療機関で複数の患者への使用が禁止されている採血用の穿刺(せんし)器具を複数の患者に使用し、感染症の発生が疑われる事例が発生したことで発覚。厚労省は2008年6月30日までに、47都道府県、東京23区、64の保健所に、こうした「使い回し」の事例がないか調査するよう要求している。

   問題となったのは、針で皮膚に小さな穴を開けて、にじんだ血液を採取する際に使用されるペン型の器具。複数人で使用できる器具もあるが、このうち針の周辺部が取り外せないタイプの穿刺器具は、針の周辺に付着する血液から感染する可能性があるため、個人使用に限っている。にもかかわらず、針を交換するだけで使い回す事例が多発した。

   厚労省は、国内での感染事例はなく、「感染の可能性は極めて低い」(同省医政局)としているが、同省医薬食品安全対策課の資料では、同様の器具を複数人で使った英国の介護施設の患者2名がB型肝炎に感染し、死亡したケースがあると指摘している。

   同省は2006年3月に、この採血器具について、自治体に注意喚起の通達を出したほか、採血器具を販売するメーカーに対しても「複数患者使用不可」と書かれたシールを製品に貼り付けるように指導していた。「なぜこのようなことになったのかわからない」と厚労省医薬食品安全対策課の担当者は漏らしているが、

「(採血器具メーカーの)1社の製品について、製品に貼り付けないで、箱の中に入れるだけで出荷していた事例について確認している」

とメーカー側のずさんな対応についても指摘している。

自治体が医療機関に通知していなかった例も

   その一方で、「使い回し」が56か所の医療機関であり、その対象者が1350人超だった島根県では、

「厚労省から自治体に通達があったのにも関わらず、医療機関に通知していなかった」(健康福祉部)

といったこともあった。また、鳥取市中央保健センターはJ-CASTニュースに対し、「説明書を確認して使わなかった」と話している。同市が主催する健康イベントや「糖尿病教室」で採血器具の使い回しがあり、対象者は1000以上に上っている。自治体やメーカーのずさんさが今回の事件につながったようだ。

   しかし、医療現場の一部では医療サービスの一環としてこの器具の「使い回し」が行われていたという実情もある。たとえば、島根県のある病院では糖尿病患者が退院後の検査のために家庭で使える採血器具を販売。採血器具の購入の前に、病院側がサービスの一環として採血器具のサンプルを用意して、患者に試してもらっていた。しかし、この採血器具は複数人での使用が禁止されていており、結果的に「サンプル」が使い回されていた。

「健康イベントや病院のサービスなど善意でやっていたものが、結果的にこのようになってしまった。こういっては何だが、(現場の人については)気の毒だ」

   ある自治体の関係者はこのように明かしている。

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