議員事務所の仕事を体験 「現場」見ると何かが変わる
インタビュー「若者を棄てない政治」第8回/ドットジェイピー・大久保勇輝さん

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   ふつうの若者にとって政治家は縁遠い存在だ。その距離を少しでも縮めるため、大学生に議員事務所での仕事を体験してもらう「議員インターシップ」というプログラムがある。その運営団体「ドットジェイピー」関東支部代表の大久保勇輝さん(21歳)に「政治の現場をみると、何が変わるのか」を聞いた。

「国会議員というすごい人の話を聞いて刺激を受けたい」

「世襲防止の一つのアイデアとして、選挙区が毎回ランダムだったら面白いのにな、と思います」という大久保勇輝さん
「世襲防止の一つのアイデアとして、選挙区が毎回ランダムだったら面白いのにな、と思います」という大久保勇輝さん

――「議員インターンシッププログラム」とはどんなものですか?

大久保 若年投票率の向上をはかるために、政治の現場を直接知ってもらい、政治にもっと関心をもってもらおうというプログラムです。学生が暇になる2月~3月と8月~9月に実施しています。

――プログラムの内容は?

大久保 議会・委員会の傍聴や事務所での接客対応、地元のお祭り参加などいろいろです。受け入れ先の事務所によっても違いますが、議員の活動内容を一通り知ってもらう内容になっています。
   議員は、国会議員もいますし、都議会や県議会、区議会・市議会の議員とさまざまです。与野党問わず、若者を事務所に受け入れてもよいという事務所にお願いしています。地域的にも、北は北海道から南は熊本・長崎までありますね。

――大久保さん自身は東大2年の終わりに議員インターンシップに参加したということですが、きっかけは?

大久保 ちょっと情けない話ですが、1年と2年のときは全然授業にも出ないで、テニスのサークルや飲み会で遊んでいたんです。でも2年の夏ごろになって、そろそろマジメになったほうがいいんじゃないかと考えて新聞を読み始めました。
   少しは政治の動きにも関心が出てきたころに、議員インターンシップのビラを受けとって、「政治の世界をのぞいてみたいな」と思い、参加してみることにしました。

――東大生は2年生まで遊んで、3年からマジメに授業に出たり、資格試験の勉強をしたりする人が多いですよね。

大久保 そうですね。クラスでも、公認会計士や弁護士のダブルスクールに通い出す友達が結構いました。政治に向いたのは僕一人でしたけど(笑)。

――なぜ政治に興味を持ったんですか。

大久保 一つは、当時、官僚志望だったことがあります。官僚を政治家の側から見たいと思ったんですね。もう一つは、「すごい人に会いたいな」というのがありました。国会議員というのは、日本国民が1億2000万人いるなかで700人ぐらいしかいない。そういうすごい人たちの話を聞いて刺激を受けたい、と。

知らない人の家に行ってポスター貼りのお願い

――インターンシップは2年終わりの2月~3月に行ったんですね。

大久保 静岡県選出の衆議院議員の事務所にお世話になりました。2月は学校の試験があったので週1回だけ東京の事務所に通い、その後5日間ほど、静岡の事務所で「合宿」しました。一緒に参加した数人の学生と事務所で雑魚寝しながら、地元活動の体験をさせてもらいました。

――地元ではどんな経験を?

大久保 主な活動はポスター貼りでした。一軒一軒知らない人の家に行って、講演会の案内ポスターを貼らせてもらえるように「セールストーク」をするんです。それまでは国会議員というと、テレビでスーツを着て颯爽と歩いていく、派手な世界というイメージが強かったんですが、「こういう地道な活動が裏にあって一人の国会議員が送り出されているんだな」と体で感じました。
   あとは、地元の秘書って大変だなあ、と。たとえば、選挙区のどこにポスターが貼ってあるのか全部地図で管理していて、どこのポスターの色が落ちてきたとか剥がれたとか全部聞いて、また貼りに行くんですよ。結構田舎なので土地も広いんです。そういった活動を地道にやっていかないといけない。

――逆に、東京での体験で印象的だったことはありますか。

大久保 予算委員会は生で見るとすごい迫力でした。テレビでイメージしていたよりも部屋が狭くて、そんな場所にパワーがある人たちが集まっていて、すごいエネルギーだなと感じました。
   もう一つは、新聞の読み方が変わったことですね。委員会の議論の一部始終を聞くことができたことで、新聞の記事は要約にすぎないのが実感できました。新聞だけではすべてを知ることはできない、書いてあることを簡単に信じてはいけない、と強く思うようになりました。

――「これはひどい」という議員はいましたか?

大久保 特定の個人というわけではないですが、委員会や議会を傍聴しているときのヤジはひどかったですね。なにも生産性がないし、子供が見てどう思うかと考えると教育上もよくない。大人がやることじゃないですよね、あれは。

最初は友達に声をかけるのが恥ずかしかった

――議員インターシップのあと、ドットジェイピーの事務局に入って、運営側に回ったわけですね。

大久保 自分が議員のもとに行っていい経験ができたので、もっと多くの人に知ってもらいたいなという気持ちになりました。それと、大学ではテニスのサークルぐらいしかやっていなかったので、本格的に何かに打ち込んでみたいと思ったんですね。

――運営側の活動というのは、受け入れ先候補の議員事務所にお願い行ったり、学生に告知したりということですね。学生に呼びかけるときの反応はどうでしたか?

大久保 運営に入って最初のころは、友達に声をかけるのが恥ずかしかった。1、2年のころは遊んでいるようなイメージだったので、「お前、なにマジメなことしてんだよ」と思われるのが恥ずかしくて……。1年ぐらいたったら、そんなことはなくなり ましたけど。    反応のほうは、ミクシィ(mixi)の日記に「ドットジェイピーの説明会があるので、来てみませんか」とか書いても、コメントが来ませんね。不真面目な内容に対してはコメントがよく来るんですが。政治告知系に反応が少ないのは、確かだと思います。

――それでも、ドットジェイピーの議員インターンシップに応募する学生はたくさんいるんですよね?

大久保 毎年、全国で1500人ぐらいの学生が参加しています。学生の動機は2つあって、1つは、政治に興味があって、学校でも政治のことを勉強している学生が「生の政治を見てみたい」と応募してくるパターン。もう1つが、「なんとなく何かをやりたい、就活にも役立ちそうだし」。就職難もあって、どちらかといえば、後者のほうが多いような気がします。

――ただ、「若者に政治に関心をもってもらう」というプログラムの目的からしたら、動機はなんでもいいんですよね?

大久保 まさにそうです。動機はどうでもいいと思っています。むしろ政治に興味がなかったような人にこそ参加してもらいたいですね。2ヶ月間インターシップに参加してみれば、どんな人でも政治に対するイメージがどこか変わるはずなので。

※インタビュー第9回は、「新しい霞ヶ関を創る若手の会」の代表・朝比奈一郎さんです。


大久保 勇輝さん プロフィール
おおくぼ ゆうき 1987年生まれ。東京大学法学部在籍。大学3年からNPO法人「ドットジェイピー」の運営に参加。現在は関東支部代表として議員インターンシップのプログラムを取り仕切り、大学生に「政治の現場」を体験してもらっている。

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