紙媒体極度の不振の中で 角川が出版業界独り勝ちの秘密

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   大手出版社が軒並み赤字になる中で、角川グループが突出して売り上げを伸ばしている。ネットや映画、DVDなどへの多メディア展開が功を奏しているらしい。が、それは、裏を返せば、紙媒体が末期状態ということでもある。

涼宮ハルヒなどで多メディア展開

   新作のテレビアニメが放映されるか、を巡ってネット上で熱い議論が繰り返された「涼宮ハルヒの憂鬱」。そんな人気ぶりで、今やアニメのほか、コミックやゲーム、DVDなどまでハルヒのキャラクターが広がっている。

   もともと、ハルヒは、角川スニーカー文庫から2003年に発売された同名のライトノベルが原点だ。そのユニークなキャラクターがオタク層などに受けて、ここから次々に多メディア展開された。このほか、人気漫画がアニメやゲームになった「らき☆すた」も、角川の雑誌連載がきっかけだ。

   こうした事業が成功して、角川グループは、ここ数年で業績が躍進しているのが目立つ。2009年度の営業利益も、08年度の35億円から50億円へと拡大する見通し。08年度に、講談社が76億円、小学館が63億円の赤字を出すなど、出版業界が窮地と言われる中で異例のことだ。

「ライトノベルなどのコンテンツを、いろんなシーンで展開したのがよかったと考えています。われわれは、こうした展開を『ワンソース・マルチユース』と呼んでいます。もともと、角川書店が『犬神家の一族』で、出版業界では珍しく映画化までしたことがきっかけにあります。当時メディアミックスと言われたもので、社内文化的に取り組み、ノウハウを蓄積してきました」(角川グループホールディングス広報室)

   マルチユースできる事業会社を、7社も抱えているのも強みらしい。ケータイ小説の「魔法のiらんど文庫」などがあるアスキー・メディアワークスなどだ。角川グループについて特集した週刊東洋経済の09年9月19日号では、「テレビや映画、DVDなど他のメディアに展開すればするほど、上流の書籍などが相乗効果でまた売れる」と分析している。

雑誌主力のビジネスモデルは破たん

   業界の動向に詳しい出版関係者は、他社でも多メディア展開はあるとして、角川グループの違いをこう解説する。

「普通の出版社は、ヒットしてから考えます。しかし、角川は、最初からクロスメディアの立場で出版物を企画しています。戦略的なビジネスをしており、それが強みですね」

   また、この関係者は、一般受けするものからではなく、まずオタク系、アキバ系から始める点も違うと言う。

「3~5万人のオタク層に受けて関連商品が売れ、それが回りに知られるようになって大きくなっていくわけです。ユーチューブへの投稿も認めたものならOKを出しており、メディアを上手に使っていこうという柔軟な考え方がありますね」

   一方、他の大手出版社は、本の赤字を雑誌の稼ぎで埋めていたが、こうしたビジネスモデルも破たんしつつある。雑誌が売れなくなっており、主力だった女性誌は、「CanCam」(小学館)を始め、販売部数が1年で2割強も減るケースが出ている。クライアント寄りの雑誌作りが、時代のニーズに合わなくなったとも指摘されている。

   もっとも、情報を得る手段がネットに移るなどして、出版そのものが地盤沈下している。雑誌や本の市場規模が、10年前より2割以上も小さくなっているのだ。

   前出の出版関係者は、こうした状況は角川グループも無関係とはいえないと指摘する。

「紙媒体が後退しているのが、弱みでしょうね。だから、次々に他メディアの企業を買収しないといけないので、状況は厳しくなります」
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