2024年 4月 24日 (水)

振興銀行は何を隠そうとしたのか 不透明な資金の流れが焦点

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   日本振興銀行(東京都千代田区)の銀行法違反(検査忌避)事件は、元金融庁顧問の木村剛前会長や西野達也前社長らの逮捕に発展した。逮捕容疑は取引に関するメールを削除し、金融庁の検査を妨害したというものだ。

   当初、事件の本命と見られていた商工ローン大手のSFCG(旧商工ファンド、経営破綻)の債権の売買に絡む実質40%を超える高金利融資問題のほかに、同行の融資先企業約110社でつくる「中小企業振興ネットワーク」をめぐって不透明な資金の流れも浮上している。捜査の主眼は検査忌避そのものより、メール削除によって同行が何を隠そうとしたのかに移りそうだ。

中小企業振興ネットワークに疑惑の目?

   金融庁は2010年5月27日に日本振興銀行に対し、新規の大口融資や預金の勧誘などを4カ月間停止する一部業務停止命令を出した。金融庁が指摘した「重大な法令違反」や「経営管理態勢に関する問題」は計10項目におよび、特に問題視したのがSFCGとの債権取引。

   振興銀は一定期間後に手数料を取ってSFCGに債権を買い戻させる契約を結んだが、この取引が事実上、債権を担保にした融資に当たり、手数料を金利に換算すると出資法の上限(年29.2%)を超える疑いがあるというのだ。

   だが、ここにきて、SFCG以上に関心を集めるのが中小企業振興ネットワーク。木村前会長が中心となって2008年7月に設立した同ネットワークの設立趣旨には、IT(情報技術)システムや人材派遣など、中小企業が必要とする各種サービスを提供するという目的が記載されていたが、同行関係者は「実態は、貸出金の焦げ付きを防ぐための迂回融資の受け皿だった」と証言する。

「振興銀行の業績を良く見せかけるための操作」

   関係者によると、同行から融資を受けた複数の会員企業があるファンドに資金を流し、そのファンドが別の会員企業の株式を購入する不自然な取引が繰り返されていたという。経営不振に陥った会員企業の株式を別の会員企業に買い取らせ、購入代金を同行の融資返済に充てさせていた疑いも浮上している。このほか、特定企業への融資集中を禁じる大口融資規制に抵触しないよう、会員企業を通じて迂回融資をしていた疑惑もあるという。

   金融庁筋は「いずれも不良債権を隠し、振興銀行の業績を良く見せかけるための操作だ。しかし、法規制を知り尽くす木村前会長は、不透明な取引の説明を求める当局に対して巧妙に反論し、処分を逃れてきた」と指摘する。

   木村前会長らの逮捕容疑となった約280通の削除メールのうち、ほとんどが同ネットワークの取引に関するものだったという。警視庁捜査2課はこうした不透明な取引の実態を解明するとともに、木村前会長の関与も慎重に調べるとみられる。

   会員企業の中には、振興銀行やネットワークとの関係を解消する動きも出始めており、事件の余波は今後も広がりそうだ。

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