2024年 4月 17日 (水)

東北新幹線の青森延伸で 地元が密かに恐れる「ストロー現象」

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   JR東日本・東北新幹線の八戸(青森県八戸市)-新青森間(81.8キロ)が2010年12月4日開業し、東京-新青森間(713.7キロ)が全線開通した。基本計画から38年で本州最北端に到達し、地元活性化への期待が高まる。

   延伸区間は1998年着工、区間の約62%を19本のトンネルが占め、唯一の途中駅・七戸十和田と新青森の間にある八甲田トンネル(約26キロ)は複線の陸上トンネルでは世界最長となる。

「全線開通は千載一遇のチャンス」

   開業により東京-新青森間は最短3時間20分と従来より39分短縮された。2011年3月5日に新型車両E5系「はやぶさ」が登場、さらに10分短かくなり、2013年春には国内最速の最高時速320キロへアップし同3時間5分で結ぶ計画。並行するJR東北線・八戸-青森間は第三セクター「青い森鉄道」が引き継いだ。

   開業初日の4日は悪天候に見舞われ上下線8本が運休、秋田、山形新幹線を含め上下線22本が最大約3時間遅れたほか、夕方に東京駅で東京発仙台行き「やまびこ147号」がドアを開けずに発車し、200人が乗車できないトラブルもあるなど、ややけちがついた。それでも、東北新幹線新青森開業後3日間の輸送実績(JR東日本まとめ)は、八戸-新青森間の利用客は前年比26%増の1日平均7200人で、特急乗り継ぎに比べ1500人増えた。最多は初日の4日で8600人(46%増)、平日の6日は4%増の5500人。新設の七戸十和田駅は1日平均1100人、新青森駅は同7000人と、それなりの盛況だった。

   地元の経済効果への期待は大きい。青森県は「全線開通は千載一遇のチャンス」(三村申吾知事)と、観光客呼び込みや企業誘致を期待する。2002年開業の盛岡-八戸では、開業前1年の乗客数277万人から開業後1年は418万人に増え、1年間の経済効果は700億円近くと試算された。今回の新青森までの延伸で、観光資源が豊富な津軽地方が近くなることから、県は八戸までの開業以上の効果を期待。県は今年度の首都圏向けPR予算を3億7000万円確保。また、新青森駅構内に名産品や食材を集めた物販店を設けている。

   JR東日本も俳優の三浦春馬さんや歌手の吉幾三さんらのテレビCMやポスターによるPRを首都圏で展開、津軽三味線の鑑賞と組み合わせたパック商品なども販売する。

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