米国移送後アサンジ氏待ち受ける過酷  「強制収容所」で拷問に近い独房生活

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   ウィキリークスのジュリアン・アサンジ編集長(39)―婦女暴行の容疑で逮捕され現在保釈中―のスウェーデンへの身柄引き渡しの是非を決定する審理が、2011年2月7日、ロンドンの裁判所で始まった。弁護側、検察ともに最高裁まで上訴できるので、身柄移送の最終結論が出るのはかなり先になりそうだ。

   初日の審理を終え裁判所から出てきたアサンジは記者団に、数ヶ月前に「レイプ(婦女暴行)と烙印されたブラックボックス」が手渡されたが、オープンな裁判過程でようやく開封された、と語った。

「実はこのボックスが空で、外側の印とは何の関係もないことが一両日中に明らかになることを願っている」

   アサンジの弁護士は、婦女暴行の容疑を否認したうえで、スウェーデンでの性犯罪関係の裁判は非公開が原則なので「正当な裁判が期待できない」として、移送を拒否した。

   なぜ、米国への移送をこれほど恐れるのか。

   アサンジにとって最悪のシナリオは、スウェーデンに移送されたあとで身柄が米国に引き渡されることである。米司法省は2010年11月末いらい約4000点の外交公電が暴露された事件でアサンジを起訴するか検討中だといわれる。

   先週ニューヨークのコロンビア大学で開かれた討論会で、ブッシュ時代に司法次官補を務めたハーバード大学ロースクールのジャック・ゴールドスミス教授は、「(起訴を求める)政治プレッシャーがもの凄く強いので」オバマ政権としても流出公電公開の容疑で起訴せざるを得ないという解釈を示した。

   その際に伝家の宝刀になるのが1917年に成立したスパイ活動防止法だ。ほとんど使われたことがなく、その切れ味は未知数だが、不気味な存在だ。

   また、テロへのアレルギー反応が過剰になりがちな米国では、アサンジを「テロリスト」呼ばわりする輩(バイデン副大統領を含めて)が多く、身柄が引き渡されれば本土ではなく、悪名高きアメリカ版強制収容所であるグァンタナモ収容所(キューバ)に監禁されるだろうという説さえある。

1日23時間独房に監禁され、精神安定剤漬け?

   アサンジの悪夢は、すでにブラッドリー・マニング米陸軍上等兵(23)の現実になっている。マニングは、約25万点の外交公電をウィキリークスに漏洩した容疑で拘束され、現在バージニア州のクアンティコ海兵隊基地で過酷な独房生活を送っている。

   逮捕後すでに8ヶ月以上になるが、未だに起訴されていない。今春に軍法会議が予定されているという。

   イラク駐留米軍情報部門でアナリスト(分析官)として勤務経験のある同上等兵は、公電のみならず大量のイラク・アフガン戦争関連の米軍機密文書もウィキリークスに流出した容疑で拘束されている。だが、物質的な証拠はなく、ジャーナリストになりすました元ハッカーとのチャットでの「告白」だけが容疑の裏づけになっているというのが通説だ。

   マニングの拘束生活を見聞した弁護士や友人は、実質的な「拷問」だと非難している。1日23時間、独房に監禁され、たった1時間だけ外気に触れることが許されているという。自殺のリスクがあるということで、枕やベッドシーツの使用は禁止。5分毎に看守が見回り、少しでも不審な様子があれば確認のために揺り起こす。もちろん精神安定剤漬けにもなっているようだ。こうした生活をすでに8ヶ月体験しているマニングの精神状態を知る由もないが、普通の独房生活と比較すれば精神的な「拷問」といえるだろう。

   アサンジやウィキリークスの関係者は、マニングが流出源かという問いに「ノーコメント」だが、同上等兵の苦境に並々ならぬ関心を示していることは事実だ。とりわけアサンジにとっては他人事ではないだろう。

(在米ジャーナリスト 石川幸憲)


石川幸憲プロフィル

上智大学卒業後、渡米。南イノリイ大学博士課程修了(哲学)、ペンシルベニア大学博士課程(政治学)前期修了。AP通信記者、「TIME」特派員、 日経国際ニュースセンター・ニューヨーク支所長などを歴任。著書に『ウィキリークス』(共著、アスキー・メディアワークス新書11年2月刊)『キンドルの 衝撃』(毎日新聞社10年1月刊)がある。

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