2024年 4月 23日 (火)

高橋洋一の民主党ウォッチ  
「年金救済」騒動が浮き彫りにした 民主党のあきれた「無知」ぶり

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   年金の問題で、サラリーマン・公務員の専業主婦(主夫)は3号被保険者といわれる。年金保険料については、夫(妻)が配偶者の分まで払っているという形で、妻(夫)は払わなくていい。しかし、離婚したり夫(妻)が自営業に転職したりした場合には、サラリーマン・公務員以外の1号被保険者となり、保険料納付が必要となる。ただ、現状ではその変更届けを忘れ、保険料未納となっている人は100万人以上いるともいわれる。

   そこで、その救済策として、厚労省は課長通達を出して、直近2年分の保険料を払えば、それ以前の未納は不問とした。いわゆる「運用3号問題」だ。これが完全実施されれば、支出される公金は数兆円に上る。

課長通知と憲法第85条の関係

   これに対して、まじめに保険料を支払った者がバカをみる不公平な扱いだという批判がおこり、菅政権の細川律夫厚労相が窮地に陥っている。

   そこで、政府は、2011年3月8日、今の救済策を廃止したうえで、法改正を行い、特例として、さかのぼって保険料を支払ってもらい、それに応じた年金を支給するなどとした改善策を講じることとした。

   以上は、運用3号問題の経緯であるが、なぜ課長通達だったのか。課長通達は法律違反ではないのか。ようやくこの問題も国会で取り上げられるようになってきた。

   憲法第85条には「国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基くことを必要とする」と書かれている。これを受け、具体的な規定は予算や国民年金法に書かれなければいけない。

   公務員であれば、この程度の知識は常識だ。救済策を実施すれば、数兆円以上の国費を支出することになるので、当然国会議決を要することだ。したがって、行政府内の課長通達でやっては憲法違反になる。

   国会議決による法形式や予算が必要ということは、課長通達ではもちろんできず、それより上位の政令改正や省令改正でもできない話だ。

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