【被災地はいま】4月15日 陽世くんの夢はサッカー選手

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   まるで城壁のような防潮堤が町を守ってくれるはずだった。高さ10メートル、総延長2.4キロの日本一の防潮堤が。岩手県宮古市田老は明治三陸津波(明治29年)など、津波被害に苦しめられてきた歴史があった。高地へ移住することなく海辺に住み続けるために建てられたのが防潮堤だった。

   「防潮堤の2倍の高さはあった」とか「これからどうやって防災対策をすれば良いのか」とか、自慢の防潮堤が機能することなく、またしても津波被害にあった住民たちは次々と不安を口にしていた。

   「俺んちにもね、でっかい津波が来てね」。宮古市田老のグリーンピアで避難生活をおくる木村陽世くん(6)が教えてくれた。

「好きなサッカー選手はねえ…、名前忘れちゃった」

   将来、サッカー選手になりたいという陽世くんは、年上の子どもたちに囲まれながらトランプを楽しんでいた。津波被害に苦しみ続ける田老は、陽世くんがのんびりと夢を育めるような街へと再生できるのだろうか?

   僕は10日間かけて、宮城県石巻市から岩手県宮古市まで被災地を訪ねてきた。新しい街へ入るたびに、津波によって徹底的に破壊された街並に呆然とし、しばらく写真を撮ることもできなかった。しかし、ひとたび被災者のみなさんと言葉を交わせば、みなさんの優しさと逞しさに励まされ、前へ進んできた。全ての出会いに心から感謝しつつ、被災地の1日も早い復興を心よりお祈り申し上げたい。(カメラマン・会田法行)

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