2024年 4月 25日 (木)

投資信託の「失速」 株価低迷で魅力が薄れる

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   個人投資家に根強い人気を誇ってきた投資信託からの資金流出が起きている。世界的な株価低迷で、商品としての魅力が薄れてきたことが大きい。ここへきて金融庁が「通貨選択型」と呼ばれる比較的リスクの高い投信について、規制を強化する動きも出ており、さらなる投信市場の縮小につながる可能性もある。国内証券各社は投信を個人向け部門の収益の柱としてきただけに、経営へのダメージも大きそうだ。

   投資信託協会が発表した2011年11月の「投資信託概況」によると、「株式投信」の投資家の新規購入額は1兆4032億円(前月比542億円増)の一方、解約額は1兆6585億円(同2250億円増)、償還額は184億 円だった。

10、11月と2カ月連続資金流出

   この結果、新規購入額から解約・償還を差し引いた資金流出入額は2737億円の流出超になった。10月の997億円に続く2カ月連続の流出超で、1カ月の資金流出額としては、リーマン・ショック直後の2008年10月の3627億円以来となる高水準となった。

   欧州債務危機の影響で投信を構成する株式の価格低迷などから解約が膨らんだほか、パフォーマンスが回復するのを待ちたい投資家が様子見ムードで新規購入額が減っていることが要因だ。

   今年の株式投信は東日本大震災直後の4月に766億円の流出超となったものの5月に9208億円、6月に7295億円の流入超となるなど、むしろ資金が流入する傾向にあった。しかし夏場以降の世界連鎖株安による投信のパフォーマンス悪化を嫌気した投資家の解約が増え、9月に資金流入額が前月比95% 減の369億円に急減した後、10、11月の2カ月連続資金流出を招いた。新規購入額は11月に前月比4%ほど増加したとはいえ、8月まで月2兆円前後だったことを思えば低水準にとどまっている。

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