2024年 3月 29日 (金)

国家公務員給与削減の大まやかし 2年の時限立法、その後は元に戻る

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   消費税の税率引き上げと事実上セットで扱われている国家公務員の給与削減法案をめぐり、批判の声があがっている。削減分はたった年間約3000億円。しかも、この法案は2年だけの時限立法で、それ以降は元の水準に戻る。さらに、場合によっては、労使交渉で待遇を決める「労働協約締結権」が与えられる可能性もあり、逆に人件費が膨らむ「焼け太り」の可能性も指摘されている。

   当初、政府が給与削減の特例法案を提出したのは、菅政権時代の2011年6月。その後、法案は迷走に迷走を重ねた。人事院は11年9月、0.23%の給与削減を勧告したが、政府は特例法案の成立を優先させるとして、人勧の見送りを決定。ところが、11年冬の国会で特例法案を成立させられなかったため、11年12月に支給されたボーナスは、支給額が前年比で4.1%増えるという異例の事態になっていた。

どこが「身を削る努力」なのか

   そんな中、12年1月25日に開かれた民主・自民・公明3党の実務者会議で、やっと給与削減の修正案に合意した。修正案は、自公両党の主張を民主党が受け入れる形で、11年に見送られた人勧の分0.23%を引き下げた上で、さらに12、13両年度について平均7.8%引き下げるというもの。削減分は年間約3000億円が見込まれており、東日本大震災の復興財源にあてられる。この合意には、消費税増税への道筋をつける狙いがあるとみられている。

   この法案については、(1)削減が2年間に限られている(2)いつの間にか消費税率引き上げの前提のように扱われている、という点で、批判の声も根強い。

   例えば、消費税率の引き上げに反対しているみんなの党は12年1月27日、国家公務員の定員や給与を削減して、総人件費を2割削減する法案を国会に提出。11年8月以来、4回目の提出だ。提出後に会見した渡辺喜美代表は、

「総人件費を2割削減する。これは民主党も言っていたことだから、のめないはずはないが、(3党合意では)7.8%を2年か3年でやめちゃう。非常に中途半端。こういう根本的な法案が必要だと考えて国会に提出した」

と、恒久的な給与引き下げを求めた。渡辺代表の隣にいた小野次郎参院議員も、

「国民に恒久増税を求めているのに、『身を削る努力』といいながら、政府や他の政党が出そうとしている(法案の)内容は2年。非常に論理的に一貫していない。削減の規模についても、恒久的に身を削る努力を示すのでなければ、国民に説明がつかない」

と3党の合意内容を批判した。

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