金利1%上昇で6.4兆円の損失 国債頼み大手銀行の危うい中身

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   大手銀行5グループの2012年3月期連結決算は、最終利益が計2兆4027億円と、 リーマン・ショック前(2008年3月期の 1兆8663億円)を上回った。これにより、過去の不良債権処理による欠損金の繰越で法人税を納めていなかった大手行も納税を再開、バブルの清算の最終段階に やっと到達したともいわれる。

   ただ、好決算は本業ではなく国債売買益が大幅に増えたこと等が主因だ。今期(2013年3月期)は企業業績の悪化から、みずほを除く4グループが減益を予想しており、前途には不透明感が漂う。

「2013年3月期は国債売買益が半減する」

   各行の収益を支えたのが国債などの債券売買益。欧州債務危機の影響で、相対的に安全な投資先として日米の国債が買われ、価格は上昇(金利は低下)。 安値で購入した国債を売却すれば労せずして巨利を得られるというわけで、2012年3月期の債券 売買損益は5グループ合算で前期比約2割増の 6788億円に達し た。リーマン・ショック前の4.4倍というボロ儲けだ。

   企業倒産の減少も利益を押し上げた。不良債権認定を弾力化する中小企業 金融円滑化法延長や被災企業への特例措置などで、不良債権処理費用や引当金の負担が減った。

   一方、国内の資金需要が伸び悩む中、本業の収益は頭打ち。貸し付け利子で得る「資金利益」は金利の低下もあって前期からやや減って約4兆9880億円にとどまった。

   それでも、納税復活への道筋はついた。法人税は住友信託銀行(現・三井住友信託銀行)が2007年から納めているほか、三菱UFJフィナン シャル・グループ(FG)は2011年から再開 しているが、みずほコーポレート銀行が2012年から、みずほ銀行と三井住友銀行、りそなホールディングスは2013年から、それぞれ再開する方針で、三井住友は15年ぶり、りそなは18年ぶりの納税になる(みずほは3行統合のため前回比較なし)。

   ただ、国債が今後も高値で推移する保証はない。国債利回りは1%割れが続いているが、さすがにこれ以上の金利低下(国債値上がり)は 考えにくく、銀行業界では「2013年3月期は国債売買益が半減する」との見方が一般的。3月末に1万円を回復 した日経平均株価も足元は8500円近辺にまで落ち、低迷が続けば今期は保有株の減損処理などマイナスの影響も心配される。

3メガは海外部門で利益を稼ぎ出した

   国債でもうからなくなるどころか、大量保有のリスクへの懸念が高まってさえいる。5グループの国債保有残高は2012年3月期末で約120兆円と、リーマン・ショック前の2倍以上に膨らんでいる。国債など国内債の金利が1%上昇した場合に地銀などを含む邦銀が保有する債券の値下がり損は計6.4兆円になると試算され(4月の日銀「金融システムリポート」)、「消費税増税の頓挫で金利が急騰でもしたら大変なことになる」(金融筋)。

   ここは、本業、つまり貸し出しで安定した収益を稼ぎ出すこと以外にない。三菱UFJFGの永易克典社長は「顧客部門収益で稼いで持続的成長にもっていくのが経 営のあるべき姿」、宮田孝一・三井住友FG社長も「資金需要創出のため、顧客ときめ細かく会話する」と述べるが、 人口減少や国内産業の空洞化の中、国内での資金需要はなお弱い。

   勢い、各行は海外向けの貸出に期待するしかない。2012年3月期に3メガの海外貸出しは約2割増えて40兆円になっている。融資全体の約2割を占め、海外部門が利益全体の3割を稼ぎ出した。欧州危機で融資を絞る欧米の銀行分の肩代わりが貢献したとみられる。欧州危機が邦銀に結果として追う風になったわけだが、危機の長期化で資金需要の一段の後退、また欧州市場の冷え込みで輸出 が減って中国経済が急減速するなど、世界経済全体の低迷が長引けば、邦銀だけ貸し出しを増やし続けられるはずもない。

   足を引っ張る証券や消費者金融などグループ会社の建て直しを含め、大手行の収益アップへの課題は多い。

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