米司法省が格付け会社S&P提訴 ムーディーズやフィッチはなぜお目こぼし?

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   米司法省が、米格付け会社のスタンダード・アンド・プアーズ(S&P)を相手取り、課徴金の支払いを求める訴えをカリフォルニア州の連邦地裁に起こした。提訴は2月4日付。2008年の金融危機のきっかけとなった住宅ローン関連証券に、S&Pが不当に高い格付けを与えていたことを問題にしている。

   金融危機をめぐって格付け会社の法的責任を米政府が問うのは初めて。民間企業でありながら金融商品の取引に絶大な影響力を及ぼす格付け会社の存在の意味と問題点が初めて正面から問われることになるが、S&Pは「訴えに正当性がない」と争う姿勢で、一部に政府の政治的な意図を指摘する声もあり、訴訟の行方は見通せない状況だ。

本来よりも高い評価で投資家欺く?

   司法省が問題にしているのは、S&Pが危機直前の2007年に行った債務担保証券(CDO)などの格付け。CDOには低所得者向けのサブプライムローンも含まれていたが、S&Pは最上級の「AAA」としていた。しかし住宅バブルが崩壊してローンが焦げ付き、CDOの価格も大幅に落ちて、格付けを信用して購入した投資家が損失を被った。

   司法省は、S&Pが市場シェアを高めて利益を得るのを目的に、本来の格付けよりも高くし、投資家を欺いたと糾弾している。

   課徴金の額は未定だが、米メディアによると、司法省はS&Pに10億ドルでの和解交渉をしていたが、決裂したという。また、投資家らは2007年のS&Pの格付けによって少なくとも50億ドル(約4600億円)の損失を被ったという試算もあり、ホルダー米司法長官は5日の会見で、この数字が目安になる可能性を示唆している。

   CDOなどを巡って、販売した銀行は責任を問われた。「金融規制強化法」により銀行の証券業務は大幅に縮小され、今年1月にはバンク・オブ・アメリカなど大手10行が米連邦住宅抵当公社(ファニーメイ)などに計約200億ドルを支払うことで合意している。

   提訴に対して、S&Pは住宅市場の崩壊を予測できなかったことは遺憾としながらも、「公に入手可能な情報だけを元に格付けを判断しており、あくまで参考意見。投資判断は投資家の自己責任」などと主張するとみられる。

「格付け会社の追及は当然」の声

   今回の提訴は、格付けというグローバル金融に不可欠の役割と、債券などの発行側・それを買う投資家側の利益相反という格付けの宿命を、どう判断するかという大きなテーマを抱える。

   「CDOなどはそもそも、借金する経済力がない人にまでサブプライムローンで貸しまくった商業銀行、それを証券化した投資銀行、それに高格付けという裏付けを与えた格付け会社の"三位一体"で起きたことで、格付け会社の責任追及は当然」(国際金融筋)との受け止めが多い。

   ただ、今回の提訴を米国債の格付けと絡めて疑問視する声もある。米連邦債務上限の引き上げをめぐり政権と議会が対立する中、S&Pは2011年8月、米国の信用格付けを最上級の「AAA」から「AA+」に、1段階引き下げたが、3大格付け会社のうち残るムーディーズとフィッチは最上級格付けを維持している。このため、米市場関係者やアナリストらから、「ある種の報復のように見える」「ムーディーズやフィッチがCDOなどに対し同じ格付けを与えていたのにS&Pだけ提訴した理由をどう説明するのか」といった指摘が出ているという。

   日本では、S&P日本法人が4件のデリバティブ商品について、損失情報を知りながら格付けに反映させなかったり、損失に関する情報を発行元に確認する義務を怠ったりして、本来より高い格付けに据え置いていたことに関し、昨年12月、金融庁が業務改善命令を出している。業務管理体制が不十分だとのテクニカルな理由だが、日本政府には日本国債の格下げなどについて格付け会社への"遺恨"もあり、今回の米国の提訴の行方を注視している。

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