2024年 4月 20日 (土)

「25年後、福島第一原発は観光地に」 ネットで物議「不謹慎」「現場を馬鹿にしているのか」

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   25年後、福島第一原発を観光地に――思想家の東浩紀さんらがぶち上げた計画が、ネットで物議を醸している。

   記憶の風化を防ぐために、跡地の保存やビジターセンターの設立を軸に有識者が集い議論などをおこなう試みだが、「除染も済んでいないのに不謹慎だ」などと非難が多く出ている。

「今も現場で対応に当たってる人がいるのを想像できんのか」

   計画は、除染が十分に進み、一般市民が防護服なしに、福島第一原発から数百メートルの距離まで安全に近づけるようになった、25年後の未来を想定したものだ。この構想は昨年秋ごろに持ち上がり、実行委員会ができた。東さんのほか、社会学者で『フクシマ論』著者の開沼博さん、ジャーナリストの津田大介さんらが名を連ねている。

   13年3月9日に発表された計画によると、跡地の保存とJビレッジ周辺の再開発を柱に、2036年の福島第一原発跡地に、どのようにひとを集め、どのような施設を作り、なにを展示しなにを伝えるべきなのかを検討し、そのビジョンを中心に被災地の復興を考えるというのが、主旨だそうだ。

   しかし、インターネット上ではこの計画に対して、廃炉にできるかも、除染がいつ終わるかも分からないのに物見遊山とは不謹慎だ、と憤る人が少なくない。

「今も現場で対応に当たってる人がいるのを想像できんのか」
「25年後を想定してるらしいが、いま懸命に収束作業してる俺らにしてみれば、なんだか馬鹿にされてる気分になるのは俺だけだろうか」
「阪神淡路大震災後、焼けた長田地区の瓦礫をバックにピースサインで写真を取る人達がいた。そばで瓦礫をかきわけ、家族を探している人がいるのに…。この『計画』もそんなイメージしかわかず、悪質!」

などとツイッターには否定的なコメントが相次ぐことに。「『観光地』という言葉についての不毛な争いになる危険もあると思うのだが」と総合研究大学院大学の伊藤憲二教授(科学史)はツイッターで指摘している。

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