2024年 4月 25日 (木)

猪瀬知事「追加集中審議」でますます窮地 新聞社説も「進退考えろ」の大合唱

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   東京都の猪瀬直樹知事が医療法人「徳洲会」から受け取った5000万円をめぐる問題で、猪瀬知事への風当たりは強まるばかりだ。都議会では集中審議では2日間にわたって行われたが、議会の納得は全く得られないばかりか、次々に明らかになる答弁の不整合で疑惑は深まってしまった。

   追加で審議が行われることになったが、このままではさらに答弁に窮するのは確実。都政にも支障が出ると受け止める人も増えている。新聞各紙の論調も辞任を求めるものが多数で、いよいよ後がなくなってきた。

貸金庫は5000万円受け取る前に借りていた

「辞任は不可避」との見方が強まっている
「辞任は不可避」との見方が強まっている

   集中審議では、実に9時間近くにわたって猪瀬知事への質疑が行われたが、各会派からは「疑問点が解消されていない」といった声が続出した。そのため、総務委員会が2013年12月11日になって、16日、17日、24日の3日間にわたって追加で集中審議を行うことを決めた。数十点の記録書類の提出も求めた。

   審議が紛糾したのは、猪瀬知事の答弁に整合性がないからだ。例えば12月5日の本会議では、5000万円の扱いについて「大金にびっくりして、貸金庫にしまわないといけないと思った」などと話していた。この説明だと5000万円を受け取った後に貸金庫を契約したと理解できる。だが、事実はその逆で、5000万円を受け取る前日に妻名義で貸金庫を契約していたことが12月10日の集中審議で明らかになった。

   また、同日の集中審議では、5000万円を議員会館で受け取った後の行動について、

「まっすぐ自宅に帰ったと思います」

   と答えていた。だが、10月12日になって、議員会館から港区の個人事務所に一度立ち寄ってから多摩地区の自宅に帰っていたことが公用車の記録で明らかになった。

   この調子で集中審議を続けると、同様の「ボロ」が出るのは確実だ。

   加えて、多数の記録書類の提出を求められていることが、さらに猪瀬知事を追い詰めることになりそうだ。主に焦点になりそうなのが、借用証と貸金庫の記録だ。借用証は、その書式のつたなさが指摘され、信ぴょう性が疑問視されていた。これが改めて検証されることになる。また、猪瀬知事は5000万円の返金が13年9月まで遅れた理由について、貸金庫が死去した妻名義だったため、開けるまでの手続きに時間がかかったことを挙げていた。この点も、貸金庫の開閉記録で検証されることになる。

不信任案出されても解散は現実的ではない

   新聞の論調も厳しさを増している。各紙とも(1)議会での説明が不十分なこと(2)利害関係者からの借金は、都職員であれば「都職員服務規程」違反に当たり、懲戒免職処分になった先例もあること(3)このままでは五輪準備や予算編成作業にも支障が出ることなどを指摘しており、12月11日に産経新聞の「主張」が

「自らの進退を決断するときを迎えているのではないか」

と辞任をうながしたのに続いて、翌12日の各紙の社説では

「これ以上の説明ができないなら、猪瀬直樹東京都知事は自ら進退を考えるべきだ」(朝日新聞)
「猪瀬氏はまず話せ。身を処するのはすぐにもできる」(東京新聞)
「有権者が納得できる説明がなければ、猪瀬氏は自ら身を処して辞職すべきだ」(毎日新聞)

と厳しい内容だ。

   特に毎日新聞は

「都議会は、これ以上明快な説明がなければ、偽証の罰則がある百条委員会設置や不信任決議なども視野に置くべきだ」

と、議会側にさらに厳しい対応を求めてもいる。仮に不信任決議案が可決された場合、知事はそのまま失職するか、10日以内に議会を解散するかを選べる。ただ、仮に解散したとしても、都議選を経ても猪瀬知事への追及がゆるむとは考えにくく、解散は現実的な選択だとは言えない。そう考えると、不信任決議案が出れば、そのまま失職する可能性が高い。

   都議選をめぐっては、早くも日本維新の会からの離党を表明したばかりの東国原英夫衆院議員、舛添要一元厚労相、ジャーナリストの池上彰氏、小池百合子元防衛相などの名前が取りざたされている。

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