C型肝炎は「9割が治る」時代になった 「知らない」国民や一般医師が多すぎないか

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   2014年 4月23日、東京で開かれたプレスセミナーで武蔵野赤十字病院の泉並木・副院長兼消化器科部長が訴えた。

   日本では2012年に肝臓がんで亡くなった人は3万690人で、肺がん、胃がん、大腸がんに次いで多い。一歩手前の肝硬変を含めると、C型肝炎が原因の8割を占めている。

3剤併用で画期的な成果

   泉さんによると、ウイルスが発見された1989年以降の治療の進歩は目まぐるしい。日本では1992年に認可されたインターフェロン注射で患者さんの3割が治るようになり、2004年に抗ウイルス薬リバビリンの併用で5割になった。さらに2013年、ウイルスが増えるための酵素の働きを邪魔するプロテアーゼ阻害剤シメプレビルが認可された。この3剤併用治療で何と治る率が9割になったというのだ。

   日本肝臓学会は2013年11月、「C型肝炎治療ガイドライン」を更新した。基本的には、C型肝炎とわかれば週1回外来でペグインターフェロン(ペグは分解されにくく加工したもの)の皮下注射を受ける。同時に毎日リバビリンとシメプレビルを飲む。ペグインターフェロンとリバビリンは原則24週間、シメプレビルは原則12週間続ける。3剤併用療法で9割は血液中にウイルスが見つからなくなった。再発率はきわめて少なく、事実上、治ったと見られる。また、従来の治療で治らなかった患者さんも新たに3剤併用療法をしたところ、5割が治ったという。シメプレビルの耐性ウイルスは欧米では報告があるが、日本では見つかっていない。

   泉さんは、こうした画期的な治療が専門医以外にはあまり知られていないことを残念がる。企業の産業医900人にアンケートしたところ、健診でC型肝炎感染がわかった人に専門医の受診を勧めるのは半分だけ。「肝機能が悪くなったら…」という10年、20年前からの対応が多かった。「肝炎には患者さんの自己負担を大幅に減らす医療費助成制度もある。早期に専門医を受診してがんを防いでほしい」と泉さんは強調した。

   セミナーでは最新の国民意識調査も発表された。それによると、職場健診や自治体の無料検診などで肝炎ウイルス検査を受けたと自覚しているのは成人の24%で、外科手術や出産時に検査したはずの人が23%。5割の人は自分が肝炎ウイルスに感染しているかどうか知らない、と考えられた。

(医療ジャーナリスト 田辺功)

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