「日中偶発軍事衝突」は起こるのか(11)
「尖閣は中国領」と主張するインド系米議員の素顔 背後に「在米中国人団体」のロビー活動

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   尖閣諸島(沖縄県)の領有権を強く主張する中国が、「外堀」を埋めて日本に圧力をかけようと動いている。ターゲットは日本の同盟国、米国だ。

   いわゆる従軍慰安婦問題をはじめ、日本の戦争責任を追及し続ける在米中国人団体が、積極的なロビー活動で地元の米有力議員と連携。さらには将来が有望視される若手政治家を巻き込んで「尖閣は中国領」の主張を強めている。

記事の見出しが尖閣ではなく「釣魚島」の英語表記

全米に広がりつつある「慰安婦像・慰安婦の碑」建立は「抗日連合会」も支援か
全米に広がりつつある「慰安婦像・慰安婦の碑」建立は「抗日連合会」も支援か

   「釣魚島(尖閣諸島の中国側の呼称)問題が、米中関係を強固にする機会となる」

   米紙サンノゼ・マーキュリーニュースは2013年2月15日、こう題した寄稿を掲載した。3人の共同執筆で、うちひとりの氏名はロー・カンナとなっている。インド系米国人で現在37歳、カリフォルニア州第17選挙区の民主党下院議員候補のひとり。第1次オバマ政権で商務省副次官補を務めた、党期待のホープだ。記事の見出しが尖閣ではなく中国が主張する「釣魚島」の英語表記を用いており、中身も「中国寄り」と思われる記述が目に入る。

   尖閣問題では米政府に「注意深く態度を決めねばならない」と注文をつけ、続けて「米国が味方につくと日本が信じて中国を誤った方向に向かわせてはならないし、我が国が公正な解決法を模索していることを中国に疑わせてもいけない」と強調。さらに、中国の尖閣領有権に関する歴史的な主張に関しては「法や航海上の記録に基づいて、もっと考慮すべきだ」と指摘している。

「中国との戦略的パートナーシップを追求すべきだ」

   さらに「中国ではなく日本こそがこの地域の真の同盟国との意見もある」が、米国は尖閣問題で中国を干渉する側に回るのではなく、「戦略的パートナーシップを追求すべきだ」と持論を展開。核兵器を抱えるイランや北朝鮮との問題で中国は「とても頼りになる」、またアジアやアフリカの多くは「中国と友好的」と説明するなど、「中国推し」の姿勢を鮮明にしている。

   カンナ氏の地盤である選挙区は、「シリコンバレー」と呼ばれる一角で、アップルやグーグルをはじめハイテク・IT関連の有名企業が集まる地域だ。全米で唯一、アジア系米国人が過半数を占める選挙区でもある。有権者を意識して、カンナ氏のウェブサイトには英語だけでなく中国語版も用意されているが、日本語版はつくられていない。

日本政府に戦争への謝罪と賠償を要求する「抗日連合会」

   カンナ氏の寄稿には、共著者としてふたりの名前が書かれている。いずれも所属は「世界抗日戦争史実維護連合会」(以下、抗日連合会)という団体だ。「維護」とは維持、保護を意味する中国語。公式サイトを見ると、太平洋戦争で旧日本軍によりもたらされたアジア・太平洋地域の被害や犠牲を歴史的に検証し、真実を明らかにする目的で設立されたとある。特に強調しているのが日中戦争で、旧日本軍の中国への侵攻について地図入りで説明。日本政府に対して、戦争犯罪に関する明確な謝罪と犠牲者への賠償、「戦争の歴史のねじまげや否定、ごまかしを改める」ことを要求している。

   別のページでは、団体の目的遂行の進ちょくのひとつとして、全米各地に広がっている「従軍慰安婦の碑」建設に関する記述があった。2010年のニュージャージー州パリセイズパーク、2012年のニューヨーク州ウエストバリーの碑が写真入りで紹介されている。

   抗日連合会の内幕は、産経新聞ワシントン駐在客員特派員の古森義久氏の著書「中・韓『反日ロビー』の実像」(PHP研究所)に詳しく書かれている。結成は1994年、カンナ氏の選挙区で米アップルが本社を構えるクパチーノに本部がある。中国政府と深くつながる中国系米国人が組織の中心で、「日本の戦争犯罪」をテーマにした国際会議やシンポジウム、討論会を数多く主催し、旧日本軍の捕虜となった元米軍人による損害賠償訴訟を後押しして米国内での「反日活動」を進めてきたという。

「対日強硬派」のマイク・ホンダ下院議員を資金面でバックアップ

   抗日連合会は米議会へのロビー工作にも乗り出し、議員を支援する。その人物はカンナ氏と同じ選挙区の現職民主党下院議員、マイク・ホンダ氏だ。2000年11月の連邦議会選挙で初当選を果たすが、古森氏によると「抗日連合会が全面的にバックアップしていた。とくに資金面での援助は顕著だった」という。

   ホンダ氏は、慰安婦問題で日本政府を強く非難する強硬派で知られる。2001年以降4回にわたって、慰安婦への公式謝罪を要求する決議案を議会に提出し、2007年に可決されている。一方、古森氏が調べたところによるとホンダ氏への2006年度分の政治献金は中国系が金額で30%に達するという。寄付金提供者の記録を見ると、抗日連合会を中心とした中国系米国人が並び、双方の密接なつながりが分かるとしている。巨額のチャイナマネーが、日本と対決姿勢を示す米議員を育てている、とは言い過ぎだろうか。

「河野談話」検証にもホンダ氏は強く非難

   日本政府が、慰安婦問題に関するいわゆる「河野談話」を検証した際にもホンダ氏は強く非難した。2014年6月30日に発表された検証結果で、旧日本軍による強制性が確認できないとしたことについて、ホンダ氏を含む下院議員18人が連名で「容認できない」と抗議する書簡を佐々江賢一郎駐米大使に送ったのだ。日本批判のボルテージは、相変わらず高い。

   米国では2014年11月に中間選挙が予定されているが、前哨戦として6月に民主党予備選が行われた。ホンダ氏とカンナ氏の対決はホンダ氏に軍配が上がったが、カンナ氏も「2位通過」で本選に進んだ。前出の古森氏が「週刊文春」5月1日号に寄せた記事では、ホンダ氏を20年来支えてきた抗日連合会が、ここに来てカンナ氏に乗り換えたとしている。

   仮に若いカンナ氏が当選すれば、「対日強硬路線」は当面引き継がれていく可能性が高い。議員として力を持ち、尖閣問題でますます発言力を強めたら――。日本の後ろ盾となるはずの米国の風向きが、今後変わっていくのではないかとの懸念はぬぐいきれない。

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