「からだにいい食事」が病気を招く! 健康マニアが陥る「オルトレキシア」とは

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   「口に入れるものは、からだにいいもの、安全なものしか選ばない」という人がいる。健康的な食生活のように聞こえるが、そのこだわりが強迫観念に変わり、強迫性障害に似た症状や、栄養失調を引き起こすことがある。「オルトレキシア」と呼ばれる摂食障害のひとつだ。

健康だけでなく友達も失う?

口にするものに鈍感ではいたくないが...
口にするものに鈍感ではいたくないが...

   米National Eating Disorder Association(NEDA、米国摂食障害協会)のホームページでは、「オルトレキシア」を「正しい食事に対する強迫観念」と説明している。「純粋な」、あるいは「クリーンな」食品だけを食べたいと望むあまり、極度に食事を制限し、不健康な状態に陥ってしまう。未加工の食品しか食べない完全菜食主義者や、乳製品、糖質、グルテンを含む食品を除外する人などにその傾向が見られ、行き過ぎると精神に異常をきたし、栄養失調や過度な体重減少など拒食症や過食症と似た症状を示す。

   まだ認知度が低く、米国精神医学会による「精神疾患の分類と診断の手引(DSM)」の最新版にも正式な診断名が掲載されていない。患者がどのくらいいるのかわかっていないが、一部の専門家は近年「オルトレキシア」の人が増えていると警鐘を鳴らしている。

   本当に「純粋な」ものだけを食べるには、一つひとつの食品について添加物の有無から生産地、農法にいたるまで、原材料を厳しくチェックしなくてはならない。かなりの時間と労力を要する。いつもオーガニック食品専門店で買い物をすれば食費もかさむ。

   食べられるものが限られるため、家族との食事も自分だけ別メニュー。外食は避け、パーティーや忘年会はなるべく欠席。友人の結婚披露宴でさえ、料理の内容が気になって表情が曇りがち――健康状態だけでなく、人間関係も悪化しかねないのが「オルトレキシア」の怖さだ。

オルトレキシアの傾向を見分けるには

   拒食症や過食症と異なり、オルトレキシアは「やせたい」という動機やストレスから食事を制限するのではなく、「健康のため」という「錦の御旗」があるので、本人が自分の食べ方は「正しい」と思い込んでしまうことだ。実際、食べるものに気を使っているだけなのか、オルトレキシアかどうかを判断するのは難しい。

   最近、米コロラド州の研究者らが「オルトレキシア」の診断基準を提案し、サイコソマティクス誌のオンライン版にガイドラインを掲載した。著者のひとりで、北コロラド州立大学のトーマス・ダン教授は、以下の項目に2つ以上当てはまる人は、栄養士やカウンセラーなどの専門家に相談するよう勧めている。

● 栄養的には偏っていても、「純粋な」ものを食べるようにしている
● 添加物や「からだに悪い」食品が心身に及ぼす影響を考えると頭がいっぱいだ
● 脂肪や保存料、添加物、動物性の食品など、不健康だと思う食品は一切食べない
● 「純粋な」食品を食べるため、下調べや買い物、準備に1日3時間以上かける
● 「純粋ではない」ものを食べると罪悪感を抱く
● 他人の食事に関するポリシーや考え方を受け入れられない
● 収入の多くを「純粋な」食品を買うために使っている

気にし過ぎず、楽しむことも大切に

   年末年始、忘年会やパーティーで、仲間とおでんの鍋を囲む機会もあるだろう。「大根は有機野菜かしら。はんぺんには添加物が入っているし、厚揚げの大豆は遺伝子組み換えかも...」など、細かく気にしていたらきりがない。口にするものに鈍感ではいたくないが、行き過ぎは健康を害する。からだにいい食事とは、ひとりでも大勢でも、楽しくおいしく食べることが重要なのではないだろうか。

[アンチエイジング医師団 取材TEAM/監修:山田秀和 近畿大学医学部 奈良病院皮膚科教授、近畿大学アンチエイジングセンター 副センター長]


参考論文

Microthinking About Micronutrients: A Case of Transition From Obsessions About Healthy Eating to Near-Fatal "Orthorexia Nervosa" and Proposed Diagnostic Criteria

DOI: http://dx.doi.org/10.1016/j.psym.2014.03.003


アンチエイジング医師団
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