発泡酒は泡と消える? ビールと税率統一へ

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   ビールや発泡酒、いわゆる「第3のビール」の3つに税率に分かれていた「ビール税制」が、一本化される見通しとなった。

   ビール類の税額は現行、350ミリリットル缶で、ビールが77円。麦芽比率25%未満の発泡酒が47円、麦芽や大豆などを原料に使い「リキュール類」に分類される「第3のビール」が28円になっている。ビールに比べて、税額の低い発泡酒や第3のビールのほうが安く市販されているため、「ビール党」の不満が募っていた。

  • 酒税見直しで、ビールは「復活」するか?
    酒税見直しで、ビールは「復活」するか?

日本のビールにかかる酒税、ドイツの1.7倍、米国の8倍

「ビールを外税で売ったら、まず誰も買うやつはおらぬだろうなと思うぐらい。あれは内税だからみんなだまされて飲んでいるんだよ。外税だったら、何だ、こんなに税金かよと思ったら、飲まぬよ、あんなものと思うぐらい高い、簡単に言えば」(2015年3月10日の衆議院予算委員会)
    「不味くするために一生懸命に商品を開発するのはアホらしい」(2016年10月28日の衆院財務金融委員会)

   歯に衣着せぬモノ言いで知られる麻生太郎財務相もそう語る、ビール類にかかる酒税が一本化される見通しとなった。

   政府・与党は、2015年度の税制改正大綱にビール類の税率を一本化することを目指す方針を明記したが、具体的な時期などは先送りしていた。17年度の税制改正に向けた本格的な議論が自民党の税制調査会ではじまったことで、麻生財務相が16年11月22日の閣議後の記者会見で「所得税や酒税などの見直しという話が出てくるんだろうと思う」などと話した。

   そもそも「ビール」にかかる酒税は、1989年の消費税の導入に伴う酒税法の見直し時に、清酒やウイスキーなどが減税となるなか、「租税確保」を理由に、例外的に高い税率のまま残された。海外と比べても極めて高く、ドイツの1.7倍、米国の8倍にものぼる。

   ビールの税負担のほうが重く、その分が小売価格に上乗せされていることが「ビール党」をはじめ、消費者には不満だった。ビール大手5社でつくるビール酒造組合の調べによると、ビールを購入した消費者の62.5%が「思っていたより(ビールの価格が)高い」と答えた。

   現行、ビールの小売価格に占める税負担率は、42.2%を占める。たとえば、221円(消費税込み、コンビニエンスストアの標準価格)のビールの場合、このうち酒税は77円、8%の消費税が16円かかっている。

   一方、小売価格164円の発泡酒の場合、酒税は47円、消費税12円で、税負担率は36.1%。また、小売価格143円の第3のビールの場合、このうち酒税は28円、消費税は11円で、27.0%の税負担率がかかっていることになる(いずれも、350ミリリットル缶)。

   それを、1缶(350ミリリットル)あたり55円程度に一本化する方向で見直す。2018年度以降に7~8年かけ、3段階に分けて一本化を進める方向とされ、政府・与党はこうした一本化の道筋を17年度の与党税制改正大綱に盛り込むことを目指す。55円程度の税額であれば、全体の税収規模は現状と変わらないとされる。

ビール類市場の縮小に危機感「一本化を容認したわけではありません」

   ビール類の酒税が55円程度に一本化されれば、ビールは減税になるが、安価な発泡酒や「第3のビール」は増税につながる。仮に酒税が55円に一本化されると、現行221円(消費税込み)のビールの小売価格は24円安くなり、197円になる。その一方で、発泡酒は8円値上がりして172円に、「第3のビール」は28円も高くなり171円になる。

   ビールと一番安い「第3のビール」との価格差は現行の78円が26円に、ビールと発泡酒は現行の57円が25円にまで縮小される。

   ビール酒造組合は、「税負担が下がって小売価格が下がれば、これまでのビールファンが戻ってきたり、新たなファンがついたり、需要増が期待できます」と話す。

   インターネットには、

「発泡酒、絶滅するんか?」
    「結局、安くなったビールと高くなる発泡酒や第3のビールはどっちが安いの?」
    「ビール愛好家としては嬉しいわぁ」
    「発泡酒2缶飲むならビール1本でいいじゃん。味はどうでもいいから酔いたいわけ?」
    「淡麗(キリンビール)好きな俺涙目。ビールより淡麗のほうが飲みやすくておいしいのに...」

などと歓迎する「ビール党」と、発泡酒や第3のビールのファンの不満げな声が交錯する。

   とはいえ、ビール酒造組合はなおも不満を漏らす。いまや、ビール類市場全体が年々縮小しているからだ。ピークの1994年を100とした場合の市場の推移をみると、2014年は4分の3の72まで落ち込んでいる。

   人口減少やデフレ時代の影響もあるが、ビールメーカーがこぞって低価格の発泡酒や「第3のビール」の開発に注力した結果、味わいのよさを求める「ビール党」のビール離れを招いた。それが最近は、発泡酒や「第3のビール」の売り上げにも陰りがみえてきた。

   ビール酒造組合は、「わたしどもが要望しているのは、『同一分類に属する酒類』ということではなく、ビール類全体の税負担を大幅に軽減してほしいということです。(清酒やウイスキーなどとの税率格差を踏まえ)一本化を容認しているわけではありません」ときっぱり。ビール類市場の減少基調に歯止めをかけたいという。

   ビール類の酒税が一本化されても、安くなったビールを飲む消費者が増える可能性はあるが、安い発泡酒などを飲んでいる消費者の負担は増すため、メーカーの売り上げ全体がどのように変わるかはわからない。

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