はがき、62円に値上げへ 「年賀はがき」はどうなるの?

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   日本郵便が2017年6月1日から、はがきを現行の52円から62円に値上げすることを決めた。電子メールの普及で、はがきの需要が長期的に減少していることが背景にあり、人件費の負担が日本郵便の経営の重しとなっていた。12月22日、発表した。

   はがきは2014年4月の消費税増税に伴い、50円から52円に値上げされたが、消費増税以外で値上げするのは1994年に41円を50円に値上げして以来、約23年ぶりになる。

  • 黒字の年賀はがきは据え置き(写真は2016年度年賀状)
    黒字の年賀はがきは据え置き(写真は2016年度年賀状)

値上げで年間300億円程度の増益効果を見込む

   往復はがきは、104円から124円になる。はがきの値上げに合わせ、2017年5月に62円切手を発行する。年賀はがきは52円に据え置く。需要が多い年賀はがきは黒字を維持しているためで、毎年12月15日から翌年の1月7日に投函された年賀はがきが対象となる。定型の封書も現行の82円を維持する。

   定形外郵便物とゆうメールについても、新たに規格(縦34センチ、横25センチ、厚さ3センチ)を設け、規格を超えるものは80円から150円の値上げを行う。

   日本郵便は、宅配便「ゆうパック」の料金を2015年8月1日から平均で1個当たり約40円値上げしている。この時も全国的な人手不足を背景にした人件費の上昇が値上げの理由だった。

   日本郵便によると、はがきの需要のピークは2002年度で、78.1億通の利用があったが、2015年度は63.2億通に減少した。電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)の普及で、今後もはがきの利用は減少が見込まれている。

   日本郵便は2016年3月期、郵便事業の営業損益は黒字だったものの、収益性の低いはがきに限ると294億円の赤字だった。現行価格のまま、はがきを値上げしないと2018年3月期に郵便事業全体が赤字転落する見通しという。全国で集配・配達が義務付けられた郵便事業は、ネットワークを維持するための人件費がかさむためだ。今回の値上げで年間300億円程度の増益効果を見込んでおり、2018年3月期の赤字転落を回避できると弾く。

値上げの影響で、取り扱いはがき枚数が「2億通減る」見込み

   持ち株会社の日本郵政の長門正貢社長は、会見で「今回の値上げは23年ぶりだが、この間、経営努力をしてこなかったわけではない。ハイテク機械を入れたり、経費削減や売り上げを増やす努力をしてきた。そのうえで上げざるをえない」と述べ、理解を求めた。

   長門社長によると、今回のはがきの値上げ率は19%。この23年間で、タクシー料金は21%上がったが、路線バスは11%しか上がっていないという。はがきの値上げが妥当な水準か、微妙なところだ。長門社長は「従前以上に日本郵便が筋肉質になるようトライしていきたい。経費削減努力が真っ先だ」と述べた。

   ただし、今回の値上げの収益改善効果がどの程度かは、なかなか読み切れない。値上げによって、若者を中心にはがき離れに拍車がかかる可能性があるからだ。日本郵政は今回の値上げで、全国で取り扱うはがきの枚数が2億通減ると見込む。さらに、2019年10月に消費税が8%から10%に引き上げられる際には、更なる値上げも予想され、一段の郵便離れの可能性もある。

   やむにやまれぬ値上げだとしても、郵便事業はなかなか反転攻勢が展望できないのが現状だ。

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