「14世紀に倭寇に盗まれた」 対馬の仏像返さない韓国の根拠

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   2017年1月26日、韓国の太田地方裁判所は、2012年に長崎県対馬市の観音寺から盗まれ、韓国に持ち込まれて韓国政府が管理している「観世音菩薩坐像」の所有権が、韓国の浮石寺にあるとの判決を下した。

   浮石寺は、仏像は14世紀に倭寇によって同寺から盗み出され、日本に運ばれたものであることを理由に、正当な所有権を持つと主張し、仏像の引き渡しを求めて韓国政府を提訴していたが、裁判で主張が認められたことになる。そもそも数百年前の所有権が、裁判の根拠になることはあるのか。

  • 浮石寺は数百年前の所有権を主張
    浮石寺は数百年前の所有権を主張

民法上は日本側に所有権

   「観世音菩薩坐像」は、長崎県の指定文化財で、所有していた観音寺から韓国の窃盗団により2012年に観音寺から盗みだされた。

   座像が韓国で作られたことは、対馬市も認めているが、持ち込まれた経緯については、李氏朝鮮時代の仏教弾圧を逃れて運び込まれた、という見方をしている。一方、韓国側は、座像は14世紀まで遡ると元来は韓国の浮石寺の所有物であったため、21世紀に盗まれたものであろうと返す必要は無い、という立場だ。

   日本政府と観音寺は、盗まれたことがわかった後、日本への返還を繰り返し要求していたが、浮石寺が所有権を主張したため、韓国の裁判所は日本への引き渡しを差し止める仮処分を2013年に出していた。

   そして、今回、韓国の裁判所が正式にお墨付きを与えたことになる。日本から見ると、無理筋の判決のようにも見えるが、法律的にはどうなのか。

   アディーレ法律事務所の鳴海裕子弁護士は、「国際問題になっている以上、最終的には条約等に従い解決されるべきもの」としつつも、韓国民法が日本民法を基礎として制定されていることをあげ、

「日本民法に照らせば、14世紀から対馬の観音寺にあった以上、観音寺に仏像の取得時効が認められ、仏像の所有権があったものと判断されると考えられるので、韓国民法においても、同様の取得時効等の規定により、観音寺に仏像の所有権があったといえるだろう 」

としている。

   また、倭寇によって盗まれたという点についても、

「素直に考えれば、浮石寺側に立証責任があると考えられるところ、これは未だ立証したとは言い難く、おそらく今後の立証も難しい。観音寺が仏像返還請求できることに変わりはないだろう 」

としている。

   韓国政府は控訴しているが、今回の判決が覆るどうかはわからない。

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