2024年 4月 20日 (土)

【男と女の相談室】美容院のシャンプー中に「命の危険」 首を長時間後ろにそらす姿勢が怖い

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   あまりに気持ちがよくて思わずウトウト。美容院や理容室のシャンプーでリラックスする人は多いが、洗髪が終わった後にめまいや冷や汗、頭痛などがして気分が悪くなったことはないだろうか。

   実はソレ、首を反らした状態で洗髪することで起こる脳卒中の前兆なのだ。命取りにつながる恐れがあるので、くれぐれもご注意を。

  • この気持ちのよい体勢が脳卒中を招く(写真はイメージです))
    この気持ちのよい体勢が脳卒中を招く(写真はイメージです))
  • この気持ちのよい体勢が脳卒中を招く(写真はイメージです))

仏の文豪スタンダールもあわや命の危機に

   この症状、医学的には「美容室脳卒中症候群」(ビューティーサロン・ストローク・シンドローム)と呼ばれる。あの名作「赤と黒」「パルムの僧院」などで知られる仏の文豪スタンダールにちなみ「スタンダール症候群」ともいわれる。スタンダールがフィレンツェのある聖堂を訪れた時、高い天井や窓に描かれた名画の数々を見上げている最中、至福感と同時に激しい動悸に襲われ、卒倒寸前になった。スタンダールがこの時の恐怖を「イタリア紀行」に書き残したので、医学用語として定着した。

   高い所ばかり見上げる姿勢を続けると、首の動脈が圧迫され脳への血流が止まるので、動悸、めまい、吐き気、失神などが起こる。これと同じ症状が美容院のシャンプー台の上で起こる。東京医科大学整形外科では、ホームページの「脊椎班だより」の中で「スタンダール症候群」のコラムを設けて注意を呼びかけている。

   それによると、発症のメカニズムはこうだ。首の後ろ側には小脳や脳幹、後頭葉などへ血液を運ぶ椎骨動脈がある。これは椎骨と密接につながっているため、洗髪で長時間首を後ろに反らせていると、血管が圧迫される。その結果、脳に行く血流が一時的に減ってしまう。すると、血小板の流れが滞り、小さな血の塊の「血栓」がたくさんできる。

   洗髪が終わり、首を元の位置に戻す時、せき止められていた血流が一気に脳へ流れると、血栓が押し流され脳のすみずみの毛細血管に入り、詰まらせてしまう。これが脳卒中だ。頭痛や吐き気、めまい、手足のしびれ、冷や汗、首や後頭部の痛みや違和感が起こったら要注意だ。美容院では何でもなくても、帰宅後に倒れるケースも多く、重症の場合は命を落とすこともある。

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