文化財の理解促進へ、国立文化財機構と大塚オーミ陶業が複製プロジェクト開始

独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター〈ぶんかつ〉と大塚オーミ陶業株式会社は、セラミックアーカイブの技術を用いた文化財の複製品製作と新たな活用方法の開発を目指す「複製を用いた文化財の理解促進プロジェクト」を開始します。
概要
独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター〈ぶんかつ〉と大塚オーミ陶業株式会社は、文化財の理解促進を目的とした共同プロジェクトを開始しました。本プロジェクトでは、国立文化財機構の収蔵品を対象に、大塚オーミ陶業のセラミックアーカイブ技術を用いて複製品を製作し、新しい活用方法とモデル事業の開発を目指します。
プロジェクト概要:文化財の複製品製作と新たな活用方法の開発
目的:文化財に親しむ機会の拡大、文化財についての理解促進、人材育成
複製品製作予定:遮光器土偶原品[重要文化財](2026年度製作予定)
活用内容:アウトリーチプログラム開発、教育プログラム開発、複製品貸出
複製品による文化財の新たな楽しみ方
日本の文化財には、その脆弱性から展示や鑑賞に制限があるものが少なくありません。本プロジェクトでは、本物とほぼ変わらない鑑賞体験が得られる触れる複製品を製作することで、ハンズオン形式での新しい活用方法を開発します。これにより、より多くの人々が文化財に親しみ、深い文化体験を得る機会を提供することを目指しています。
大塚オーミ陶業は、これまでに国会議事堂のテラコッタ改修やキトラ古墳壁画、法隆寺金堂壁画、火焔型土器などの複製を手掛けてきました。これらの実績を通じて、文化資産の保存と公開に貢献し、複製品を用いた出張授業やワークショップにより、触れて体感することの重要性を追求してきました。今回のプロジェクトにより、やきものによる複製品への理解が深まり、その活用範囲がさらに広がるものと期待されます。
プロジェクトの目的と活動内容
本プロジェクトは、複製品の活用を通じて文化財に親しむ機会を拡大し、文化財への理解を深めることを主な目的としています。また、文化財を未来に継承するための人材育成や、複製品の再現性、耐久性、利便性の向上も目指します。
さらに、視覚障害者の学習や鑑賞を支援するための文化財複製製作および教育プログラムの開発も進められます。2026年度には、「遮光器土偶原品」の複製品製作が予定されており、青森県つがる市出土の重要文化財が対象となります。複製品の活用としては、文化財活用センターのアウトリーチプログラムや、視覚特別支援学校などを対象とした教育プログラムの開発、そして複製品の貸し出しが行われる予定です。
大塚オーミ陶業のセラミックアーカイブ技術
大塚オーミ陶業は、独自の技術と3D計測などの新しい技術を融合させ、文化資産を「やきもの」で記録・保存・活用する「セラミックアーカイブ」に取り組んでいます。やきものの優れた耐候性・耐久性を活かし、これまで公開が困難であった文化財の展示活用を広げる素材として活用しています。
同社は、大塚国際美術館で1000点以上の西洋名画の陶板作品を製作するなど、やきものの新たな可能性を追求してきました。世界的に文化資産を取り巻く環境が厳しさを増す中、消失や劣化のリスクに直面する貴重な文化資産の保存と公開という課題に対し、セラミックアーカイブ技術が貢献できるものと考えています。
まとめ
独立行政法人国立文化財機構文化財活用センター〈ぶんかつ〉と大塚オーミ陶業株式会社は、共同で文化財の複製品製作と活用方法の開発を行うプロジェクトを開始しました。この取り組みは、文化財への理解促進、教育機会の拡大、そして文化財の未来への継承に貢献することが期待されています。