365日映画コラム

「ルネッサンス」パリの古い石畳と超近代建築のコントラストが美しい

2007/7/28 19:45

   一口にアニメと言っても最近はこれまでのアニメから変わって来ていて、実写とアニメの境が分からなくなって来ている。フランク・ミラーのグラフィック・ノベル映画「シン・シティ」や「300〈スリーハンドレッド〉」はアニメのようだし、登場人物を役者のモーション・キャプチャーでCG化した実写の「スキャナー・ダークリー」も同様だ。

(c) ONYX FILMS MILLIMAGES LUXANIMATION TIMEFIRM LTD FRANCE 2 CINEMA - MMV
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   このフランス映画「ルネッサンス」もアニメとはとても思えないモーション・キャプチャーの映像が展開される。モノクロ作品で白と黒のコントラストを強調した画面は生身の人間が動き出すような雰囲気だ。

   2054年パリ。成長を続ける世界的な医療関係のコングロマリット、アヴァロン社の女性研究者イローナが何者かに誘拐される。捜査を担当する地方検事レバラスは、腕は立つが反抗的なカラス警部を捜査の責任者に据える。カラスは、アヴァロン社の元主任研究員に会いイローナが子供の「早老症」の治療の研究をしていたことを知る。その後、日本人の研究者も登場したりして事件はさらに複雑になっていくが、観客は話について行くのが大変だ。

   モノトーンの映像は、石畳のパリの古い風景と2054年のガラスの高層ビルなどの超近代建築とのコントラストが美しい。デザイン原案も担当した監督のクリスチャン・ヴォルクマンは、これが長編映画のデビュー作。吹き替えの俳優陣は世界的なセレブを揃えた。カラス警部の声は新007で評判が高いダニエル・クレイグ。誘拐される問題の科学者イローナは「アメイジング・グレース」のロモーラ・ガライ、ダレンバックは「ブラザーズ・グリム」などのベテラン俳優、ジョナサン・プライス、他に「アビエイター」のイアン・ホルムなど。

   ヴォルクマン監督は日本の漫画やアニメ、SF映画に無意識にも意識的にも影響を受けていると告白している。確かに押井守監督の「攻殻機動隊」のような硬質の表現が散見される。フランスではアメリカ以上に日本アニメの評価は高いという。日本アニメには哲学的なテーマが込められているという監督は、この「ルネッサンス」が目の肥えた日本の観客にどれだけ評価されるか気にかけているようだ。

恵介
オススメ度: ★★☆☆☆
ルネッサンス(RENAISSANCE)
2006年フランス・イギリス・ルクセンブルク合作映画、ハピネット・トルネードフィルム
配給、1時間46分
監督:クリスチャン・ヴォルクマン
声の出演:ダニエル・クレイグ
公式サイト:http://www.renaissance-movie.net/

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