2024年 3月 29日 (金)

「笑え、プレッシャーは動きを鈍くする」 1兆円工事動かす男の信条

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   今回の『プロフェッショナル仕事の流儀』ゲストはプラント建設現場所長・高橋直夫。彼の仕事は、世界最大級の石油化学プラントを完成させること。日本から遠く離れたサウジアラビアで、総工費1兆円をかけた巨大プロジェクトの指揮を執る。

   約7,000人の作業員を従え、日本の中年サラリーマンは想定外の問題を前に奮闘する。高橋の流儀は、"決めないリスク"よりも"決めるリスク"を取ること。工期という大前提を守るためなら、少々の損害をいとわない。目先にとらわれずプロジェクトを見渡した判断は、リーダーとしてのプライドを感じさせる。

   そんな高橋はトラブルを前にしても明るい。「恐怖感やプレッシャーは体の動きを鈍くする」。笑って仕事をすることが重要だと彼は言う。だが、笑顔は感情を隠す壁。「どんな時でも笑えます」と彼は言うが、その笑顔は本物なのか疑問だ。裏にあるリアルな感情が気になり、自分の目には彼の笑顔が不気味に映った。

   そんな疑問をよそに、番組は進行していく。気付けば、高橋の失敗談を紹介していた。44歳で訪れたチャンス。リーダーとしての最初の仕事で、彼は数十億円の赤字を出し、工事も7カ月遅れたそうだ。そこで高橋は自分なりの改善策を導き出し、その後訪れた次のプロジェクトでリベンジする。なんとなくプロジェクトXを思い出す展開だ。

   全体を通じて感じたことは、自分が部下だったらこの人苦手だということ。掴みどころがないというか、素が見えない。小学校の頃の、嫌いだった教師を思い出す。だが、リーダーとして組織をまとめるには、案外そうした感情をさらけ出さない部分が重要なのかもしれない。

   最後、「プロフェッショナルとは」との問いに対し、高橋の答えは「プロフェッショナルだと自分で信じられている人」。確かにね、そうじゃないとこんな番組に出演しないでしょう。

慶応大学 じんじん

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