愛と体重と言葉の重み 一番重いのは……
このところ、思うところあって天才、偉人が残した名言や、有名人が残した名言をいろいろと集めている。
例えば、日本のある作家はこう言っている。
「男の顔は履歴書。女の顔は請求書だ。」
また、フランスのある作家はこんなことを……
「この世で一番重い物体は、もう愛していない女の体である。」
ウマいこと言うな~。少しドキっとして次の瞬間にニヤっとする。共感と発見を併せ持つ、人の心に残る言葉だ。さらには、こんなものも。
「ベッカムのユニフォームはいいにおいがする」
これはサッカー・ブラジル代表のある選手の一言なのだが、なるほどね。なんとなく想像できてしまうから、オモシロイ。こちらは、いい迷言だ。
そんな折、今夜はテレビ業界の大大先輩に当たる方の言葉に、心打たれた。
「物語の結末とは、敵に勝つか、愛が実るか……その2つだけである」
「一言で感想が言える、それがいい作品だ」
「大強盗の話よりも、10円をちょろまかす話を書く方が、難しい」
この言葉の主は、大御所脚本家、ジェームス三木さん。40年以上脚本を書いてきた巨匠はこう語った。出てくる言葉に、私は唸(うな)りっぱなし。説得力があるなぁ~。なるほどっ!と膝を打ちたくなった。
しかし、最も印象的だった巨匠の一言はこれだ。
「言葉はこれほどまでに伝わらないものか」
過去、自分の脚本が思い描いた通りの作品になったことは一度もないらしい。でも、そこがまた言葉のおもしろいところなんだよ、巨匠は笑っておられた。
巨匠でもそうなのか……おこがましくも、なんだか胸がスカっとした。