映画監督が「怒られても」 自分の美意識に正直でいる法

2008/5/18      twitterでつぶやく このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ! Yahoo!ブックマークに登録 newsing it!   コメント(2)   印刷

   何年も前、私が中学生だった頃だろうか。ドラマ「TRICK」を初めに観たときは衝撃的だった。あの独特で不思議な映像構成にびっくりし、はまっていった。今回の「プロフェッショナル 仕事の流儀」ゲストはその「TRICK」の監督。演出家でもあり、近年は監督として多くの作品を手掛ける堤幸彦だ。

   そもそも映画監督にはどのようにしてなるのか。私は映画学校を出て助監督になって、それから監督に昇格していくのが普通だと思っていた。しかしそれは今ではあまり一般的ではないのだとか。彼の場合、テレビのディレクターを経て音楽PVやテレビCMの演出家、そしてドラマ「金田一少年の事件簿」や「池袋ウェストゲートパーク」の演出、「TRICK」シリーズの監督を手掛けるようになったという。

   番組では、現在撮影中で今年2008年秋公開予定の映画「まぼろしの邪馬台国」の撮影風景が流された。映画の撮影というと、監督はカメラの側に座り、直接役者に指示を出すものだというイメージがある。だが彼は演技する役者の前にはいない。少し離れた場所に収録ブースを作り、そこでカメラを通した映像をみながら指示を出す。

「生の映像を見ちゃうとですね、NGが出せないんですね、僕。全部素晴らしいと思えちゃう。感動しちゃって」

   後で見直して、自分の思惑と違うものだったことに気づき、後悔する事も多かったと語る。

「それから、怒られようが徹底的に客観的でありたいと思って。お客さんの目に映るスクリーンと同じ目線に立ってないとダメ」

   この感覚はよくわかる。興奮の現場の中にいると、冷静に自分を見つめることができなくなる。さらにこの映画の主演は吉永小百合。演技の現場にいると、大女優の世界に飲み込まれてしまうはず。役者と距離を置くことで、自分の美意識に正直になれるのだろう。超売れっ子監督の心の内には、私たちと共通するものがあった。

慶応大学・がくちゃん

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