2024年 4月 20日 (土)

がん患者の「語り」ネット公開へ その持つ意味

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   「イライラから家族、とくに主人に当たってしまうこともあり……セキが出れば肺に転移したのではとか、腰が痛ければ骨に転移したのではと、再発が頭から離れない。(薬の副作用について)のぼせ、わーっと暑くなって汗だらだらとか、それが気になると動悸がしてきたり、かなりきつい。体温が急に上がることがあって、調節できるように脱ぎ着しやすい服を着ている」

病気と闘うコツと勇気を

   乳がん手術をした患者の体験談だ。彼女の向いには聞き手の女性とカメラマン。2人はインタビューで患者の"語り"を、それも映像つきで、引きだしているのだ。今、こうした"語り"を集めてデータベース化する取り組みが進行している。医師、看護師、患者たちのグループが、前立腺がんと乳がんの患者、それぞれ50人に聞き取りをし、医師のチェックを受けたうえで、来年(2009年)4月からインターネットで公開しようとしているのだ。大きな悩みと不安を抱える多くのがん患者の参考になれば、と考えてのことである。

   スタジオゲストの山口建・静岡県立がんセンター総長は「インターネットを使って患者さんが患者さんに語りかける点がユニーク。科学的に検証して信頼性を高めて行こうとする大事なプロジェクトだ。患者さんが病気と闘うコツを学べて、勇気を与えられる」と、この試みを評価する。

   実は、イギリスではすでに01年から、データベース化した患者の"語り"を、インターネットで公開しているという。しかも、さまざまながんだけでなく、エイズや糖尿病など42の病気を対象に、1500人の"語り"が用意されており、それが患者の救いになっている様子が報告されるのを聞くと、日本は遅れているんだなあ、と嘆きたくなる。

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