嵐・大野クン、「微妙な表情」うまいじゃない(魔王)

2008/8/20      このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事を含むECナビ人気ニュース   Yahoo!ブックマークに登録   newsing it!   コメント(5)  

   前半なかなか入り込めなかったのは、大げさな音楽、スローモーションやアップの多用による過剰な演出のせいか。だが、ここへ来てようやく面白くなってきた感じ。

   タロットカードの予告通りに、芹沢直人(生田斗真)の周りで起こる連続殺人、それは11年前、彼に弟を殺された成瀬領(大野智)の復讐の始まりだった――。

   せっかくのダブル主演なのに、どうも直人役の生田クンに分が悪い。中学時代クラスメートを殺めておきながら、父の権力に物言わせ、正当防衛で無罪だなんて。こりゃ恨まれて当然だ。そんなヤツが刑事なんてやってていいのか。

   初回、犯人を追いかけてビルの屋上から逆さに落とそうとするシーンですっかり印象が悪くなってしまった。やたら怒鳴ったり、威嚇したり、これでは熱血刑事じゃなくて単なる暴力刑事。君が正義やかけがえのない人を失った悲しみを説くなんて、チャンチャラ可笑しいぞと突っ込みたくなる。

   そもそも、両者への思い入れが拮抗してこそのダブル主演だと思うのに、バランス悪すぎ! と、「イケメンパラダイス」以来、生田びいきの私は歯ぎしりするのである。もうちょっと同情の要素はないものか。5話で、あれは事故だったなんて話が出てくるけど、心情的には傷害致死にしか見えないぞ。

   唯一、父親(石坂浩二)に、自分の弁明を信じてもらえなかった悲しみ、無理やり正当防衛にさせられ、罪を償うことさえできなかった苦しみを訴えるところは、少年の顔を彷彿させ胸に迫るものがあったが。

   一方の嵐・大野クン。若すぎて敏腕弁護士にはとても見えないけど、笑顔や泣き顔が一瞬のうちに怒りや憎しみの表情に変わるのは見事。なんだかいつも困ったような顔のイメージだった彼は、思いのほか微妙な表情がうまい。

   圧巻は第7話。復讐の機を窺うために、事故で亡くなった成瀬領という別人に成り代っていた彼。そんな彼に領の姉、真紀子(優香)がずっと前から真実に気づいていたことを告げるシーン。盲目で病身、一人ぼっちの彼女は、それでも、彼だけを心の支えに10年の歳月を生きてきたのだ。

   彼女の10年、彼の10年……。このとき2人の頬にほぼ同時に伝わる涙に引き込まれた。別れ際、真紀子が領に向かって言ったさよならの代わりの「お誕生日おめでとう」で、思わず落涙。

   事務所に戻ると、みんなが彼の、ではない誕生日を祝ってくれる。思いを寄せ合う女性からもらった手作りクッキーが、復讐鬼にはあまりにも不似合いで切ない。周りの人の優しさに触れ、悪魔と化した心が徐々に崩れていくところが見どころだ。

   こんな見せ場を直人にも作ってやっておくれよ。韓国では大ヒットした作品だそうだから、ラストにはすごい感動を与えてくれるものと期待したい。

ツキノ・ワグマ

「魔王」 TBS系 金曜夜10時~

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