2024年 4月 26日 (金)

「行政の横暴」か「当事者のわがまま」か イモ畑騒動

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   <テレビウォッチ>「子供たちの夢を奪わないでください」「子供たちの顔を思い浮かべて下さい。そんなことできないと思います」。両手で涙を拭う園児の中で母親たちの怒声が飛び交った。

バランスを考えないと

   昨日(10月16日)、菜園で芋掘り中の保育園園児の目の前で行われた大阪府の強制代執行の是非を笠井アナが報じた。

   番組冒頭のこのシーンを見ると、法律を盾に強権を振るう「お上」といった印象なのだが、番組が進むに従い印象が違ってきた。さて?どちらが手前勝手か……

   この菜園があるのは大阪府門真市。『西日本道路』が建設を予定している第2京阪道路の予定地になっている。

   ことの起こりは今(2008)年4月。この菜園のある土地の所有権が『西日本道路』に移転されたことから。

   保育園側は、大阪府の代執行について大阪地裁に執行停止の申し立てを行う一方、6月には菜園で19年間続けてきたというサツマイモの植え付けを行った。

   しかし、大阪地裁は今(10)月1日、「菜園は代替地でもできる。道路建設を優先させてほしい」と、保育園側の執行停止申し立てを却下した。

   ところが、この決定に納得しない保育園側は翌2日、高裁に抗告。サツマイモの収穫時期を迎える保育園側は、高裁の決定が出される今月30日の翌日に芋掘りイベントを行う予定でいた。

   これではらちが明かないと思ったのか、大阪府は昨日(10月16日)、急きょ強制代執行に踏み切り、冒頭のシーンとなった。

   「高裁の決定まで2週間、なぜ待てないのか?」と言いうのが保育園側の主張だが、大阪府は「03年から延べ33回も説得交渉を行い、今年度に入っても19回交渉を重ねてきて手を尽くした」と。

   で、問題のサツマイモだが、15日に掘り出したというサツマイモの写真は立派に成育。笠井アナは「代執行の前に、芋掘りイベントはできた可能性があると思いますよ」。

   大阪府の問題ならやはりこの人というわけで、番組にVTRで登場した橋下知事。借金返済で頭が一杯のようで、次のようなコメントを。

   「2週間遅れると6億円から7億円の損が出てしまいます。逆に、僕から云わせてもらえば、なぜ2週間早く芋掘りをして頂かなかったのか……」

   小倉が「公共事業というのは多くの人の利便性や幸せを考えてのことで、その辺のバランスを考えないと」。これを受けて、桜美林大大学院教授の諸星裕も「子供は、大人同士のゴジャゴジャに巻き込まれたって感じ。一般のことを考えることも必要です」。

   どうやら「公」に軍配が……。

文   モンブラン| 似顔絵 池田マコト
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