元木昌彦の深読み週刊誌

「締め切り」とスクープの関係 今週生きのイイ「石井慧ネタ」は…

2008/11/13 17:40

   今週は締め切りについて書いてみたい。ここで取り扱っている5誌の発売は、現代、ポストが月曜日、朝日は火曜日だが、なぜか、月曜日の昼にはキオスクに並んでいる。新潮、文春は木曜日。

   出版社は印刷所を自分のところでもたないから、校了(締め切り)は、印刷、製本などの時間を考えて、数日前に設定されている。

週末に大事件が起こったら

   新潮、文春は火曜日の夕方。朝日は、自社で印刷部門をもっているから、土曜日夕方までに起こったニュースはカバーできるようだ。

   問題は、現代とポストだが、土曜、日曜は印刷所が動かないから、校了は木曜日の夜である。希に、その日の夕方に大きなニュースが飛び込んでくれば、金曜日の早朝までは何とかなるが、それがギリギリである。

   印刷・製本された雑誌は、金曜日の昼に、全国へ配送される。都内の書店には、金曜日の夕方に届くが、月曜日の朝まで、読みたいお客がいても売ることはできない。

   現代、ポストが金曜、土曜、日曜と寝かされている間に、野球やサッカーの大きな試合がある、大相撲の千秋楽、選挙の投票日も日曜日。週末に大事件でも起こったら、2誌の編集長は1週間、下を向いて歩かなければならない。

   それでは、発売日を変えて、水曜日にしたらいいのではないかという議論が、私が編集長時代にもあった。だが、不思議なことに、水曜日発売の週刊誌はうまくいかないのだ。そこで、現代、ポストはどうするか。

   月曜日の朝、サラリーマンたちに向けて、「さあさあ、とびきり新鮮なネタが載ってる週刊誌だ! 買ってらっしゃい見てらっしゃい」と、表紙や、新聞、電車の中吊りで呼びかける。そのためには、現代、ポスト発の「独自スクープ」を仕込まなければ、手にとってはもらえない。しかし、毎号、そんなネタが入るわけはない。そこで、編集長を始めとする編集部員たちは、必死になって買ってもらえる「企画」を考えるのだ。この2誌が、新潮、文春と、多少作り方の違いがあることがわかっていただけるだろう。

(続く)


元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)ほか

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