番組「さよなら新宿コマ劇場」 NHKの取り組みは「真剣」だったか

2008/12/29      twitterでつぶやく このエントリーを含むはてなブックマーク はてなRSSに追加 この記事をBuzzurlにブックマークする この記事をクリップ! Yahoo!ブックマークに登録 newsing it!     印刷

「さよなら新宿コマ劇場~涙と笑いの50年」(NHK) 2008年12月22日 19時半~

   昭和31年新宿歌舞伎町に建てられた新宿コマ劇場が、今年いっぱいで歴史を閉じる。「演歌の殿堂」と謳われた名物劇場の52年に亘る歴史に光を当てる企画だと思い期待して見たら大外れだった。
   NHKならではの美空ひばりの秘蔵映像などは放送されたが、島倉千代子、森昌子、小林幸子らがこもごも語るコマ劇場登場時の思い出話と、38回もここで座長公演をやった北島三郎の最後の公演密着以外は、氷川きよしや川中美幸、八代亜紀らのアーカイブ映像がほとんど。少なくとも芸能界や大衆の社会的文化的変質により、閉鎖に追い込まれざるを得なかった背景の分析と考察は、負の部分も含めてもっときっちりやるべきだった。
   まして、昔の歌舞伎町は大学生がコンパ流れで喫茶店で夜明かしをしても何も起こらないほど安全だったが、今や若い女性がホストクラブの客引きに執拗に付け回されるのがニュースになるほど物騒な街である。わが家の庭みたいに遊んでいた筆者も近頃は怖くて余り寄り付かない。行きつけだった喫茶店も消えてしまったし。
   中野サンプラザや武道館など、他のホールに奪われた軟派用トップ劇場の最後としての哀歓が足りなかった。最後の座長・北島三郎が劇場の地下を案内しても、関係者に拍手で送られても、これはサブちゃんの宣伝か?と勘ぐりたい内容だったのだ。これでは<まっすぐ、真剣。NHK>どころか、<まっすぐ、手抜き。NHK>だ。

(黄蘭)

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