全く相撲には関心がない筆者も、今回は朝青龍の取り組み近辺だけは見たのである。日頃、外人だらけで国技とはチャンチャラおかしいと思ってきたし、若貴時代から、胡散臭さに我慢がならなかったので(例えば、強い力士と当たらない二子山部屋の若乃花は横綱の資格ナシと考えていた)、見る気が起きなかったのだ。
今回は何で見たのか。1つは場所前の朝青龍袋叩き状態にムカッときたから。筆者はあまり興味がないので朝青龍を好きでも嫌いでもない。だが、稽古不足でも出ようとしている横綱を「引退だ引退だ」と囃したて、なかんずく、他に碌な仕事もしていない爺々集団の横綱審議委員会が、偉そうに稽古総見している不貞腐れ顔を見ていると、つい、「朝青龍よ、こいつらの鼻をあかしてやれ」と思ってしまったわけだ。大多数の観客にも似たような感情があったと思う。だからこそ、空前の視聴率になったのではないか。素朴な大衆心理であって、決して朝青龍のサボりサッカーを許したのではない。
優勝した朝青龍に対して、掌を返して1面トップに記事を持ってくるスポーツ紙や、ワイドショーのメインテーマにするテレビの節操の無さもどうかと思うが、横綱の品格を問題にして、依然として文句を言っているマンガ家は、自分の存在意義の消滅を懸念しているからだろうと皮肉の1つも言ってやりたくなる。取り合えず、ヒールによる見世物興行としては、なかなか面白かったのである。
(黄蘭)

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