先日、書評家の永江朗さんに会ったとき、こんな話をしてくれた。昨2008年、早稲田大学で教えている学生に、雑誌をテーマに授業をしたそうだ。前半は女性誌で、後半が総合週刊誌。
女性誌は馴染みやすいのか、いろんな話ができたそうだが、週刊誌になって、学生たちに3誌買いに行かせた。『週刊文春』『週刊新潮』と『アエラ』を買ってきたそうだ。
文春と新潮は「表紙がイラストで手に取りやすかったから」だそうだ。しかし、開いて読んでみて驚いたそうだ。「先生、何でどの記事も悪口ばかり書いているんですか?」。彼らはそれまで、その手の雑誌を読んだことがないそうだ。
1人が、コラムを書いている人たちの年齢分布について調べてみた。その結果、年配の筆者ばかりで、20代を拒絶している雑誌だと断じた。彼らの結論は、若者に読ませようなどと思っていない雑誌で、これからも、自分たちは読もうとは思わない、というものだった。
私などは、現在の総合週刊誌は、団塊世代向けに特化した雑誌でいいと思う。それなのに、若い世代や女性に色目を使うから、内容が中途半端になるのだ。
さて、今週も団塊世代雑誌は怒りまくっている。麻生首相はもちろんのこと、彼を批判した小泉元首相の発言にも噛みつき、「西川氏を日本郵政の社長にしたのは小泉と竹中ではないか」(新潮)と書く。御手洗キヤノン会長の親友逮捕事件では、御手洗氏の長兄を引っ張り出して、「経団連会長辞任も選択肢だ」(文春)といわせている。
中川昭一財務・金融担当相のローマG7での酔っぱらい記者会見は、文春、新潮にはタイミング絶好だったが、世界中のメディアに叩かれたことであっさりと辞任させられたため、文春の「小誌が掴んだ『酒乱と奇行』全情報」は空振りに終わった。
注目記事は、朝日の「八王子スーパー3人射殺事件『真犯人』急浮上」。この事件は1995年に起きているが、この年は1月に阪神・淡路大震災が起き、3月に地下鉄サリン事件、当該の事件は7月30日の夜だった。八王子の「スーパーナンペイ大和田店」で、パート従業員1人とアルバイト店員2人が、頭を拳銃で撃たれて殺害された事件である。
あまりの残忍な手口に、私は、外国人マフィアの犯行ではないかと思ったものだった。その犯人らしき男は日本人で、事件後中国に渡り、覚醒剤の密輸をやっていたのが発覚して逮捕され、死刑判決を受けて、現在、服役中だというのである。
この男の話の中には「秘密の暴露」があり、警視庁の捜査官が、昨年秋から何度も足を運んでいるというのだ。
犯人から直接聞いた話ではなく、伝聞で構成されているのだが、信憑性は垣間見える。しかし、新聞広告には「真犯人の告白」と謳ってましたな。ま、本文のタイトルと新聞などの広告が違うことはよくある。が、ちと、離れすぎではないですか? 山口編集長。
(続く)
元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。
【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)ほか
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