自慢話はしない、ぐちこぼさない 落語家祖父から学んだコト
<テレビウォッチ>柳家花緑が、「これまで109人の方のメッセージをお伝えしました。なぜこんなことを言うかといいますと、今日が最終回なんです」と。
「残念だね」と小倉智昭。「好きなコーナーだった」と佐々木恭子もいう。
必ずしも最近亡くなったというでもない、懐かしい人までをも登場させる。朝の番組だけに、生々しい追悼という感じでもない。花緑のしゃべりが売りで、ときに臭くもあったのだが、独特の雰囲気で2年半続いた。
で、最終回は、「109人のなかから、これらの方々が大事にしていた言葉をお伝えします。温故知人のラストメッセージです」
安藤百福・日清食品創業者 「年を重ねただけでは人は老いない。夢を失うとき初めて老いる」
hide・ミュージシャン 難病の少女を励まし続けた理由を、「友だちだろ」
渥美清・俳優 障害のある息子の世話に疲れ、口をこぼした親友に怒鳴った。「人間は平等なんだ」。親友が死んでも困らないようにと、「寅さん記念館」をつくった。
本田美奈子・歌手 母に語った言葉。「歌の世界で太陽になりたい」
淀川長治・映画解説 学生に講演。「愛すること、働くこと、食べること、これですね。映画は生きる教科書。映画をみてください」
そして最後に五代目柳家小さんの最後の姿が流れた。花緑は小さんの孫である。祖父から学んだ言葉は「芸は人なり」。
花緑は、小学校のころ小さんに手を引かれて映画に行った話や満州でのフランス人捕虜の話などを語って、「自慢話はしない、ぐちをこぼさない」。落語は合わせ鏡。その心意気を嗣いでいきたい、最近は「ゆるゆると真剣に」という言葉が浮かぶと。
小倉が、「あなたの独演がなければ成り立たなかった」
花緑は「ナマですからね」
小倉はまた。「わたしもしゃべり屋のはしくれで、あれ、今日はどうしたのということも何度かあった」(笑い)。でも、いいコーナーでしたよ、花緑さん。