2024年 4月 24日 (水)

年金「『悪』は社保庁でなく民間」 VS「社保庁怠慢の蓄積」

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   <テレビウォッチ>保険料を納めたのに記録がない人たちを救済する年金記録確認第3者委員会が設けられて2年が経過した。

   これまで10万8000件の申し立てに対し審査を終えたのは6万5461件。このうち4割が記録回復を認められ、年金が支払われることになった。

会社が「ネコババ」

   その中で今回、番組が焦点を当てたのは、当初想定していなかった企業の厚生年金の取り扱いの杜撰さ。会社が、従業員の給料から保険料を天引きしておきながら社保庁に納めず「ネコババ」していたケースなどを取り上げた。

   もっとも、そうしたケースをあえて想定しようとせず放置していた社保庁の怠慢も指摘していいハズなのだが……

   保険料を納めたのに社保庁に記録がない「消えた年金」。当初、社保庁の管理にミスがあったのではと思われたが、第3者委員会が申し立てた人を丹念に調べた結果、見えてきたのが「厚生年金の持つ危うさ」だった。

   厚生年金は、従業員の給料からあらかじめ会社が保険料分を天引きし、会社負担分を加えて社保庁に納める仕組みになっている。この会社介在の段階で大きな問題が起きていたことが分かったというのである。

   番組は、1年前に申し立てをし、やっと記録回復が認められた73歳の男性のケースを取り上げた。

   男性は、印刷会社に1954年12月から会社が倒産する57年3月まで勤務し、厚生年金の保険料は給料から天引きされていたのに、その間2年半の年金記録が空白になっていた。

   男性は1年前に第3者委員会に申し立てを行ったが、50年以上も前のこと。給料明細もなく、一緒に働いていた同僚もどこにいるのか皆目つかめない状態だ。

   男性は、苦肉の策で当時の同僚たちが写っている社員旅行の写真10枚を第3者委員会に提出した。で、写真をもとに同僚探し。

   幸い1人の同僚を見つけ出し、その同僚から「給料の中からかなりの額が保険料として天引きされているので、社長に文句を言ったことがある」という証言を得た。

   これが「天引き」の決め手になって申し立てが認められ、男性の年金は年間11万円増えることになった。

   第3者委員会によって記録が回復されたもののうち、給料から天引きしていたにもかかわらず、会社が社保庁に支払わなかったケースは40%に達している。

   逆に、当初想定されていた社保庁の管理ミスは10%程度にとどまっているという。

   番組に出演した第3者委員会の梶谷剛委員長にキャスターの国谷裕子が次のような疑問を。

「いざフタを開けたら会社側に問題があったことをどう見ておられますか。そうした場合の保険料は結局、誰が負担するのですか?」
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