以前の「週刊フジテレビ批評」が改編されて時間が長くなり、録画変じて生放送になった。批評番組でゲストが来て、何を喋られるかわからないのに(勿論叩き台はあるが)生放送で大丈夫か?
司会も向坂樹興から奥寺健に代わった。女性は武田祐子のまま。『クリティク』というコーナーに、この日のゲストで出た脚本家・大石静の話がよかった。今のテレビドラマについて鋭い指摘があり、筆者が常日頃問題視している内容を脚本家の立場から発言していて、彼ら彼女ら脚本家のジレンマも感じられたのである。
今のテレビドラマがつまらないのはオリジナル作品が減ったからだと彼女は言う。マンガや劇画や小説など、既にある作品の脚本化ばかりで、脚本家の中にある、やむにやまれぬ【書きたいもの】を吐き出して物語を紡ぐのでないからつまらないのだ。今は注文が来る時に、もう主役などが決っている。俳優が決っていれば、イメージが湧くからいい点もあることはある。だが、制約も受ける。
制作者がイケメンの何とかチャンに主役をやらせようと決め、こういうプロットでドラマを書いてくれといっても、力のある脚本家なら、自分の【書きたいもの】との間に齟齬が生じるのは当然である。下手すると筋書きまで左右されかねない。面白いものが生まれるはずがない。わかっていて止められないのは、真の人間を描く志も余裕もなく、あるのは数字を取れるか否かの判断だけなのである。
(黄蘭)

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