ペダンティックな音楽バラエティである。筧利夫扮するちょっとおかしい探偵が、クラシック曲にまつわる謎を解き明かすのだが、毎回の相談者がふざけた市井の人で、一般人にはとっつきにくいと思われているクラシックの名曲を、下世話な話に引きずり込んで興味を持たせようという仕掛けである。アイデアは斬新。
例えば今回の曲は、プロコフィエフ作曲【組曲・ロメオとジュリエット】なのだが、ロメオとジュリエットそれぞれの対立する実家を説明するのに、やってきた相談者はラーメン屋のおっさん。自分が【情熱らーめん】で売っているのに、こともあろうに娘が、対立する【微熱らーめん】屋の男と恋仲になったという具合だ。それで娘が家出しちゃって連絡が取れないと駆け込んできたのである。
組曲そのものにも分析はされていて、音楽学者がメロディを弾いて解説する。また、作中の演奏はお手のもののN響の公演ビデオなどが使われている。これは筆者も定期演奏会で聴いた日のVTRに似ているぞ。つまり、アーカイブ再利用の貢献もしているわけ。
視聴率のとれないクラシック音楽ものは、NHKの教育かBSを除くと風前の灯である。かつては民放地上波にもあった「オーケストラがやってきた」など優れた音楽バラエティの伝統はほぼ絶滅し、BSでもDVD販売などに時間を割いている。当番組もテレコム・スタッフ制作だ。プロダクションの奮起の余地は十分にあると思う。
(黄蘭)

関連記事
ツイート数ランキング
※サービス提供元のエラーにより、動作が不安定になる事があります。
おすすめワード
【スポンサードリンク】
|