フジはドラマ作りの巧者なのだから、他所の領土に侵入しない方がいい。警察ものはテレビ朝日に任せておけ。欲をかくと失敗する。主演が上戸彩だから数字的にも低空飛行かと思ったら、あれれ、今回は18%も取っていて、確かに一見成功にみえるのだが、筆者は毎回居眠りしそうになる。つまり、警察ものの緊張感が全くないのだ。
桜木泉(上戸彩)は特命捜査対策室の新米刑事。今回は対策室に送られてきた白骨が、11年前に失踪した中学校教師の遺骨だとわかり、殺人事件として捜査される話である。緊張感がないのは、コメディ仕立てに近い演出なので、警察官であるにも拘らず、泉は渋谷の109前あたりで与太っているオネエチャンみたいな服装で、言動もワンテンポずれた天然系に設定されているからである。
上戸彩は可愛らしい女性だが、はっきり言って主演女優にあるべきオーラが欠ける。数年前、ある選考会で一緒に審査をやった顔見知りの演出家が、女優1代記ドラマを演出中だった。「なんせ、主演が上戸彩なんだよ」と自嘲気味に筆者に笑って言ったので、起用する局側と演出家の評価との間に乖離があるのだと納得したものだ。
警視にして室長の長嶋秀夫(北大路欣也)はシリアス系で、北大路はソフトバンクモバイルCМの犬の声ですっかり人気者になった。あの声の犬を思い出して邪魔である。コメディ役者や真面目系などがゴタゴタ入っていて肝心の事件は焦点がぼやけてしまい低評価。
(黄蘭)

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