アフリカを外国から取り戻せ!欧米帰り「チーター世代」の挑戦
2010.05.11 16:54
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「外国の企業はアフリカで富を吸い上げては逃げていく。第2の植民地支配だ。地元の人と一緒に富を取り戻したいんだ」
ナイジェリアで建設業を営むカリムさん(39)は言う。イギリス留学で建築を学び、建設業で働いていたが、4年前に戻った。しかし、地元民は外国企業の下働きばかり。まずは人材の養成だと、研修施設で若者に初歩的な教育をしている。
舞い戻る若手エリートビジネスマン
「君らは将来、職人になるんだ」
「ナイジェリア企業でもやればできるんだと示したい。夢は叶うと信じている」
カリムさんと同じナイジェリアで、農業の建て直しを目指すンディディさん(35)は、ハーバード・ビジネススクールの出。大手コンサルタントで10年以上働いたが、そのノウハウを祖国で活かそうと戻ってきた。
ナイジェリアはアフリカ最大の産油国だが、「長年、指導者が私腹を肥やし、国を荒廃させて、農業は衰退した。ジャムまでが輸入品だ。これを立て直す」という。
時速100キロで走るチーターになぞらえ、彼らを「チーター世代」と呼ぶ。欧米に留学し、企業でキャリアを積んだ20代30代の若手ビジネスマン。それがいま、キャリアをなげうって、続々と戻ってきている。古い世代とどこが違うのか。ガーナの経済学者ジョージ・アイッティ・アメリカン大学教授は言う。
「彼らは怒れるアフリカ人。政府に代わって自分たちで、援助漬けから脱却し、貧しい人たちに力を与えようとしている」