2024年 3月 29日 (金)

韓国哨戒艦撃沈で温家宝首相 北朝鮮と一定の距離置く姿勢

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   「今夜は、中国の温家宝首相へのインタビューをお伝えします」と国谷裕子キャスター。

   心なしか、その言葉には普段よりも熱がこもっているように感じられる。VTRに行く前のブリーフィングも長めのようだ。これから国際的な「大物」との重要なインタビューを放送するためか、番組には少々気負った雰囲気が感じられた。

苦しい立場

   しかし、マスコミ側から見た晴れ舞台と、テレビ視聴者の需要には、往々にしてけっこうなギャップがある。言質を与えない、いかにも政治家然とした政治家の「演説」を長々と聞かされる事態というのは、正直に言ってあまり視聴意欲をそそられない。他方、視聴率やスポンサーといった資本主義的論理な事情に耳を貸さず、まるまる思いっきりロングインタビューをお届けできるのも、さすがはみなさまのNHKならではのものだね、である。

   重要なインタビューのなかでも重要かつニュースな話題といえば、韓国の哨戒艦沈没事件をめぐって、中国がどういう対応を取るか――。喫緊でいえば、韓国は今週中にも国連安保理で哨戒艦事件の問題を提起する見込みだ。

   見たところ、温首相は中国としては「朝鮮半島の平和と安定を維持する」ことが大事と繰り返していたので、筆者にはそれだけが記憶に残った。また、安保理については、「どのような行動を取るか、引き続き見守ってください」とケムにまくような言い方であった。首相や中国の真意はいまひとつ藪の中的な印象を持った。

   ところが、あるところでは、このインタビューにおいて、首相は「中国の立場は中立だと強調した」と記事になっていた。新聞記事における「強調」の定義も、政治家の発言同様よくわからない。そこは、誰もが常になにかを「強調」しまくってる世界のようだ。

   せっかくなので、ここではインタビュアーをつとめた国谷キャスターの見方を「強調」しよう。VTR前のブリーフィングの発言。

「北朝鮮を支援してきた中国は、これまできわめて慎重な態度を取ってきたが、インタビューでは北朝鮮と一定の距離を置く姿勢を見せた」

   番組の結びでは、インタビュー中に「北朝鮮と韓国の間に入って、中国は非常に難しい立場におかれてますね」ときいたところ、首相が「そうです」と答えたエピソードを披瀝し、「この事件での中国の苦しい立場がうかがえた」とした。

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