2024年 4月 19日 (金)

「文春」「新潮」発売前日の一転W辞任で大慌ての「工作」

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   鳩山由紀夫首相の辞任に、一番あわてたのは木曜日発売の文春と新潮ではないか。両誌の校了は火曜日の夕方。しかし何か動きがあれば、校了を遅らせても取材させたに違いない。だが、火曜日の夜の、小沢一郎幹事長と鳩山首相の会談後には、鳩山首相の粘り勝ちという見方をほとんどのメディアがしていた。

   夜のテレビのニュースでは、会談を終えて出てきた小沢氏と輿石東参議院議員会長の表情に比べ、鳩山首相は左手の親指を立てて余裕の笑みと解説していた。

   それが一夜明けて、大逆転の辞任劇である。今週号でどんなタイトルを付けた特集を組んだのだろうか。両誌の編集長はどのような思いで、この会見を見たのだろうか。

なんとか「辞任」の2文字を間に合わせたが…

   両編集長には悪いが、興味津々で朝早く、まず朝刊を開き、両誌の広告を見た。新潮は「『鳩山内閣』騒々しい臨終の内幕」とある。さすがタイトルには定評のある新潮だ。鳩山首相が辞めても辞めなくてもどちらにも使える「臨終」という言葉を持ってきた。「自業自得の辞任劇」「さらば『鳩山幼稚園』」とあるのは、急遽付け加えたものだろう。

   だって、右側のトップ記事が「『鳩山総理』の未来が映らない幸夫人の水晶玉」というヒマネタなんだから。

   文春は、右トップに「完全ドキュメント 鳩山降ろしの『怒号と悲鳴』 また『政権投げ出し』が!」とあり、「鳩山VS小沢『抱き合い心中』全暗闘」と特筆大書。これはもしかすると、水曜日朝の辞任発表で、輪転機を止めて書き直したのかと思わせるに十分なタイトルである。あわててコンビニに買いに走った。

   文春を開くが、トップ記事は、松田賢弥氏と本誌取材班が元小沢の秘書・高橋嘉信氏から聞いた「小沢一郎『13億円略奪!』」。1992年に経世会が分裂後、経世会の金庫から13億円を、小沢の指示で小沢の私邸に運び込んだという爆弾証言。

   鳩山首相の記事は3番目で、それもタイトルは「社民党なんかにコケにされる鳩山降ろしの『怒号と悲鳴』」で、「抱き合い心中」などどこにもない。その上、広告で大きく扱っている「小沢幹事長はワガママ参院議員にイヤ気がさした」「辞任前夜共同通信が配信した『号外対応』」などは、この記事の中で数行触れられているだけだ。

   まったく「鳩山辞任」を想定していなかったことは、ジャーナリスト上杉隆氏の寄稿文を読めばわかる。ここにはこう書いている。「筆者は一貫して、選挙前の首相退陣はない、と言っている。小沢幹事長がこの時点で鳩山首相と再三会っていることこそ、退陣がないことの証だ。なぜなら、ここで首相を辞めるとなれば、小沢幹事長の進退問題に話が及ぶ可能性があるからだ」

   皮肉なことに、最後の最後で、鳩山首相はリーダーシップを発揮し、小沢氏を道連れに辞任した。

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