2024年 4月 20日 (土)

「次世代照明ウォーズ」また追い越される開発国・日本

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いまや国家間競争

   有機ELはもっと危機的だ。面全体が光る照明を開発したのは山形大の城戸淳二教授。カギは薄さにある。曲げることもできるので、携帯からテレビディスプレー、電子ペーパーと応用範囲が広い。

   山形県は大学、企業の共同研究に40億円を投じたが、今年2月、企業が試作品を完成させた時点で、「今後は民間がやるべきだ」と予算を削減してしまった。城戸教授は「悔しい。韓台中は大きな予算をつけて研究している。このままでは追いつかれ、追い越されるだろう」と言う。

   ドイツでは開発を目指すいくつものメーカーを国が調整して、共同研究に持ち込んだ。各社は企業秘密を守りながら、明るさ、大きさ、発光材料などそれぞれの得意分野を生かした開発をしている。

   城戸教授は「ドイツには大きな産業にしようという明確な意志がある。企業の枠を超えて、効率よく研究開発しないと絶対に負けますよ」と断言した。企業間競争ではなく、国家間競争なのだと。そんな中で技術とビジネスを両立させることはできるのか。

   小川教授はこう言う。

「長期の研究投資や人材では日本はまだ勝てる。国際的な分業構造の中では、コアの技術を握ることが肝心で、そのためには国が強力な支援をしないと勝てません」

   経産省の補助金300億円は事業仕分けでも取り上げられた。「特定の企業の利益のために税金を?」と国民は抵抗を感じ、企業は儲かれば儲けっぱなし。ここらあたりに問題がありそうである。

NHKクローズアップ現代(2010年7月5日放送「次世代照明ウォーズ~問われる日本の国際競争力~」)

ヤンヤン

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