2024年 4月 25日 (木)

ARATA、獅童、柄本…豪華顔ぶれ死刑囚待つ執行の朝

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   <モリのアサガオ テレビ東京 月曜夜10時~>深い森の中、木々にからみついた朝顔のムラサキとピンクがきれいだ。もちろん、こんな風景はないから花は作り物なんだけれど。そして、もっと美しいのは森の中で見つめあう伊藤淳史とARATAの表情だ。ちなみに森は拘置所、朝顔は刑が午前中に執行されるので朝しか生きていられない死刑囚を表している。

   テレビ東京が10年ぶりにドラマ枠を作った。死刑制度という重いテーマに正面から取り組んでいて、ドラマ再開にかける意欲が伝わってくる。原作の漫画はしっかりした取材に基づいていて、それを誠実に映像化しているようだ。

   今年8月(2010年)には刑場の様子が公開され、第3話放送日(11月1日)には裁判員制度の下で初の死刑求刑裁判の判決が出た。できれば死刑のことなど考えたくはないが、いよいよ普通の市民がかかわるようになり、そうも言っていられない気がする。

テレ東が真っ正面型取り組んだ意欲作

   ドラマはまず新人刑務官・及川直樹(伊藤淳史)と一緒に拘置所内部に入っていく。そして、死刑囚が執行を待つ場所とはどんな所か見ることになる。死刑囚の面々は豪華キャストだ。六平直政、中村獅童、大倉孝二、平田満などのゲスト出演ほか、なんとも憎々しいレギュラーの柄本明。鉄格子の間から口を突き出すようにして悪態をつく顔のものすごいこと。顔の恐ろしさでは六平直政も相当なものだったが、柄本に軍配を上げたい。

   死刑囚の日常は案外自由だ。懲役と違って作業がないから、それぞれ好きなことをしている。意外だったのは、刑務官と囚人の間が近いこと。刑務官が監房に入って口論になり、囚人に殴られたりする。あんまり知る機会がなかったけれど、刑務官の仕事って大変だなあ。見当がつかないから、少しは知っている人でないとこの仕事に就こうと思いつかないかもしれない。及川もお父さんが刑務官だったという設定だ。

   さまざまな死刑囚との関わりが横糸なら、縦糸は及川と少年時代の憧れのヒーロー・渡瀬満(ARATA)との「絆」だ。渡瀬は両親を強盗に殺され、犯人の出所を待って斬り殺し、「平成の仇討ち殺人」といわれている。なぜこれで死刑になるのか、最初はよくわからなかったが、徐々にその方向に向かっているようで、その理不尽さも描かれるのだろう。

   考えてみれば、殺人に対する評価というのは相対的なものだ。江戸時代なら、渡瀬の行為は「仇討赦免状」さえあれば「あっぱれ、親孝行」とほめられ、ごほうびまで出たはずだ。また、「平時に1人殺せば殺人、戦争で100人殺せば英雄」とも言われる。

   拘置所の門前に「死刑制度反対」を叫ぶデモの人たちが連日押しかけるのも、賛否両論の現在の状況をそのまま映している。

カモノ・ハシ

文   カモノ・ハシ
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