2024年 4月 20日 (土)

野田首相も小沢一郎も「困った身内」後始末おおわらわ

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「万年筆というのは、男が外へ出て持っている場所は、それは男の武器だからねえ。刀のようなものだからねえ、ことにビジネスマンだったとしたらね。それに金をはり込むということは一番立派なことだよね。貧乏侍でいても腰の大小はできるかぎりいいものを差しているということと同じですよ」

   作家・池波正太郎は万年筆についてこう語った。県立神奈川近代文学館で「作家と万年筆展」が開催されているが、それを「週刊現代」がカラーグラビアで紹介している。池波や向田邦子、吉川英治らが使っていた万年筆と原稿が載っているが、それぞれ作家のこだわりが見てとれて興味深い。

   編集者は手書き原稿から作家それぞれの思考過程が読みとれて、これほど楽しいものはないのだが、いまの味気ないワープロ原稿はその楽しみを奪ってしまった。さりとて、この原稿を万年筆で書いてFAXで送ったら担当編集者は怒るだろうな。

   このところどうしたのか、現代と「週刊ポスト」の「エロ度」がどんどん低下していっている。ポストの前半グラビアは「見上げてごらん」。太陽、月、星が地上と重なる瞬間をとらえた美しい写真と「わが大学の人情定食屋」。後半に「SEXY居酒屋でカンパ~イ!」と可愛い娘のセクシー写真はあるもののヘアはない。現代も女優のセクシーと「ジュリアナ東京の時代」で、特集に「変態の大研究」があるが、内容は出来損ないの研究論文のようで「エロ度」はゼロといっていい。これでは両誌を買う意欲が半減してしまう、そう思うのは私だけだろうか。

ネットオークションにドハマリのバカ首相補佐官

   今週は「週刊新潮」のおもしろさが抜けている。読みたい記事が1本では買ってもらえないが、2本あれば買ってみようかと思ってくれるし、3本あれば間違いなく買ってくれるといわれる。今週の新潮には読みたいと思わせる記事が2本あった。「ネットオークション三昧の『バカ首相補佐官』」と「『小沢一郎』糟糠の妻が家出した理由!」である。

   まず「バカ補佐官」と呼び捨てにされているのは手塚仁雄(よしお)代議士、45歳。手塚は野党と官邸の間に立って野田佳彦総理の意思を伝え、意思疎通をはかる重要な立場にいる。野田総理を利用して自分の選挙を有利にしようとしていると批判されているが、それはともかく、多忙を極めているはずの手塚が、実は政策秘書まで使ってヤフーオークションの競売に熱心なのだというのだ。ハンドルネームには息子の名前を使い、IDに含まれる数字は「440」(よしお)。昨年(2011年)6月から約240日間に取り引された件数は最低でも241回。土日もなく取引に励んでいる。

   出品している品は「マーク&ロナ 新品スカルポロシャツ」「グッチ ナイロン製ミニリュック」「フェラガモ ビジネスバック」「越乃寒梅 大吟醸 超特選」など幅広い。競り落とした品はミニカーが多いようだが、9万400円で「クロムハーツのブレスレット」、26万9800円で「ボッテガ・ヴェネタ メンズバッグ」。ヤクオクに出品する品には必ず写真が添付されるが、いくつかの品は議員会館の部屋で撮ったと思われる。また、ある人が商品を落札したら、「国会内」と書かれた切手が貼られたうえ、振込先の名義がテヅカヨシオで、送り主は彼の秘書だった。手塚の怪しい経歴も書いてあるが省く。

   手塚の弁明がすこぶるおもしろい。彼から送られてきた封筒に「国会内」と書かれた切手が貼られていたがという質問に対して、「国会の郵便局から出して何が悪いんですか」と開き直る。プライベートな取引に使用するIDまで秘書に使わせていたそうだ。さらに、議員会館で写真まで撮って、公私混同と批判されても仕方ないがという質問に対しても、こう答える。

「国会議員の特権を使っているわけでもないし、趣味の延長だし、こんなことでの取材自体、ちょっと度を越していると思います」

   この御仁、私的なヤフオクの取り引きのために、会館で写真を撮ること、秘書を使うことが国会議員の「特権」の乱用であり、税金の無駄遣いであることに気づかないのだ。どじょう総理は消費税増税で四苦八苦のときに、このバカ補佐官の後始末までしなくてはならない。ちょっぴりかわいそうな気もする。

離婚はなさそうだが「家を出た?小沢夫人」

   さて、その野田総理に対抗する党内最大派閥を率いる小沢一郎にも、困った事態が起きていると報じている。全国紙政治部デスクが、政府高官がこう漏らしたというのだ。

「小沢は奥さんと不仲で別居しているらしい。今年に入ってから離婚したようだ」

   この情報は内閣情報調査室もキャッチしているそうである。

   小沢の妻・和子は中堅ゼネコン「福田組」の4代目社長の長女で、妹は竹下登元総理の弟・亘の妻である。彼女は福田組の株、深沢の自宅やマンションなどを所有する資産家でもある。かつて和子は小沢をパパと呼び、小沢に尽くしてきた。だが、小沢には結婚しようと思った女性がいた。老舗料亭「満ん賀ん」の若女将である。その彼女とはいまも付き合いが続いているといわれ、「陸山会」の政治資金規正法違反事件も相俟って、決定的破局になったというのだ。

   これが事実だったら、小沢にとって致命傷になりかねない。なぜなら、小沢は資産の相当な部分を和子名義にしてあるからだ。これには小沢の資産隠しだという批判があるが、和子と離婚となれば、そうした隠し資産が明るみに出てしまうからだ。

   小沢も絶体絶命か。小沢をずっと追いかけてきたライターの松田賢弥に真偽を聞いてみた。彼の答えは「離婚はノー」だった。「満ん賀ん」の元若女将とはいまでも続いているが、それは和子も知っているし、そのこともあって家庭内別居状態が続いている。和子と息子たちの財産は確保してあるので、いまさら離婚することは考えられない。小沢の地元へも行ってきたが、後援会の人間は和子がだいぶ顔を出していないことは事実だが、離婚については「聞いていない」と否定したそうである。さて、いまのところこの記事の真偽は?である。新潮はぜひ後追い取材を続け、さらなる裏付けを記事にしてほしいと思う。それが読者への責任である。

「橋下・石原新党待望論」ハシズム現象の危うさ―舌鋒鈍い週刊誌

   橋下徹大阪市長の「ハシズム旋風」は永田町まで巻き込もうとしている。国民新党の亀井静香代表が1月25日夜、東京都内で石原慎太郎都知事、たちあがれ日本の平沼赳夫代表と会談した。これは石原新党立ち上げの話し合いだと見られているが、「週刊文春」の「橋下徹400人チルドレンに日本が牛耳られる!」の中で、田原総一朗は「(6月解散7月総選挙になれば=筆者註)選挙で石原新党が勝てば、大阪維新の会と連携して、それに自民党が乗る」と見立てているようだ。橋下は石原と組み、首相公選制も視野に入れており、自らが名乗り出ようとしているともいわれている。

   この橋下旋風の前で、最近の週刊誌は舌鋒が鈍くなっているように思えて仕方ない。むやみやたらに批判すればいいわけではないが、各誌の橋下ものを読んでいると、橋下待望論のようなものが透けて見えるような気がするのだ。彼の劇場型政治は注目を集め、大阪ばかりでなく全国に橋下待望論が拡がっていることは間違いないだろう。だが、彼の目指しているものがいまだ明確でないにもかかわらず、格好いい、わかりやすいというだけで拡がっているハシズム現象の危うさは、徹底的に検証されてしかるべきであろう。

パナソニック凋落これほどとは!頼みは次期社長に期待されてる津賀一宏55歳

   今週おもしろかったのは新潮とともに「週刊東洋経済」である。東洋経済は「暴力団対策と企業」という特集が読みたくて買ったのだが、パナソニックについての記事がおもしろくて20ページを一気読みした。「暴力団対策と企業」は、暴力団の実態や暴力団排除条例とはどういうものかというQ&A、主要企業・業界団体へ「暴排条例」アンケートなど充実した内容で、企業の総務担当者には必読だろう。

   「落日パナソニック」を読み終え、SONYやパナソニックのような大企業が韓国のサムスン電子などに押されて凋落してきていることは知っていたが、ここまでひどいのかとため息をついた。クルマ分野でも韓国の現代が急躍進していて、トヨタも日産も安穏としてはいられないそうである。

   たしかに韓国の企業の躍進ぶりは目覚ましいが、パナソニック落日の要因は、歴代経営者たちの判断ミスが大きい。今年2月下旬に社長交代が発表されるのではないかといわれている。3人の有力候補がいるそうだが、中でも「この男ならば」と社員やOBたちの間に待望論が出ているのが津賀一宏・55歳だそうだ。技術畑で04年に最年少で役員に就任。上に対しても直言することで有名で、かつてパナソニックの主力であるプラズマテレビのパネルをつくるために2100億円を投じた尼崎第3工場を、すぐ閉めるべきだと主張したことがある。

   当時、その工場は1年半前に稼働させたばかりの最新鋭工場だったが、津賀が発言した3か月後に停止された。また、40型のプラズマテレビなどの不採算部門から撤退し、テレビ部門の55歳超の社員を2011年内に全員退職させたのも彼だったそうだ。彼の「執行力」に経営者としての資質ありと見ているようだが、ネックは55歳という若さだという。

「中村会長院政」でプラズマテレビ拡大路線修正できず

   今のパナソニックの株価は611円(1月17日)。サムスン電子の時価総額はパナソニックの1・5兆円に対して10兆円。もはや勝負ありか。こうしたパナソニックの凋落の原因は、中村邦夫現会長という存在が大きすぎて世代交代を遅らせてしまったこと、組織風土が旧態依然の思考様式から脱却できないことだと厳しく批判している。

   中村院政の下、今の大坪文雄社長は「工場長型であって経営者ではなかった」という批判が社内にある。柱であるテレビ事業の躓きは、中村がぶちあげた「プラズマテレビに社運をかける」というプラズマ拡大路線だった。液晶との戦いは無惨なパナソニック側の敗北となってしまった。2ページコラム「中村邦夫という聖域」で、中村がビジョンに優れたリーダーだったら院政を敷いてもよかったが、彼にはそれがなかった。そのために軌道修正ができず、誤った方向へパナソニックを走らせてしまったとしている。

   世界でパナソニックが勝てる商品は「僅少」だ。カーナビ、冷蔵庫、家庭用エアコン程度しかない。次世代テレビといわれる有機ELテレビでもサムスンに大きく水をあけられ、パナソニックはこの分野へ参戦もできず「不戦敗」。ブランド力が低下し、グローバル展開もままならず、高齢化(平均年齢44.6歳)に悩むかつての巨人の姿は、トヨタの将来を暗示しているようでもある。次世代のクルマといわれる電気自動車においても苦境に立っている。なぜならパナソニックの生産しているのはニッケル水素電池で、車搭載用電池はリチウムイオン電池が主流なのだ。特集の最後をこう結んでいる。

「車搭載用リチウムイオン電池の開発は、世界で始まったばかりである。パナソニックにも等しく与えられたチャンスを生かせるかは、ひとえに、首脳陣の決断にかかっている」

   東洋経済という経済専門誌がこうした特集を組んだことに拍手を送りたい。いまでもパナソニックは国内での広告出稿で最大の企業である。一般週刊誌でこれだけ厳しい批判力をもった特集が組めるだろうか。

「4年以内に首都直下型地震70%」地下鉄・高層ビルで生き延びる!

   最後に地震関連記事。このところ現代ばかりでなく、サンデー毎日「覚悟すべき巨大地震と本当の備え」、文春「『平成10大地震』から学ぶべきこと」、新潮「首都破壊『大津波』を生き延びるための基礎知識」、プレイボーイ「四連巨大地震急接近中!」と、各誌が取り上げだした。

   東京大学地震研究所の研究チームが、マグニチュード7級の首都直下地震が今後4年以内に約70%の確率で発生するという試算をまとめた。明日にも来るかもしれない首都圏直下型大地震。もはや悠長に構えている場合ではないようである。

   現代は地下鉄や高層ビルで被災したらどうすればいいのかを解説している。3・11のときは東京メトロ飯田橋駅につながる地下道に水が流れ出した。ゼロメートル地帯や河川のそばにある地下鉄出口は危険性が高い。和田隆昌災害危機管理アドバイザーによれば、水かさが増す前に線路に降りてとにかく高いところへ逃げることだという。トンネル内にはエリアによってかなりの高低差があるから、低い駅から高い駅に1駅移動するだけで被害を免れる可能性がある。地下鉄内には「非常口」がないから、駅を目指すしかない。

   東京スカイツリーの展望台で地震に遭遇したら、ゆっくりとした大きな揺れが長く続く長周期地震の影響を受ける可能性があるので、窓辺から離れ、なるべく建物の中心に近い場所にある手すりなどを掴んで揺れに対処する。怖そ~。

   高層ビルのエレベーターに閉じこめられたら、床に座り扉を叩いて救助を呼ぶ。そのとき役に立つのがレジ袋だそうだ。閉じこめられている間の排泄物入れに使える。同じように比較的安全だといわれるトイレに閉じこめられたら、水を流さず、タンクの水をいざというときの飲料水用にとっておくのがいいそうだ。その他に、手術前は、手術中だったら、動物園で猛獣の前にいたらと、懇切丁寧に教えてくれているが、このようなことが役に立たないように祈るしかない。

元木昌彦プロフィール
1945年11月24日生まれ/1990年11月「FRIDAY」編集長/1992年11月から97年まで「週刊現代」編集長/1999年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長/2007年2月から2008年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(現オーマイライフ)で、編集長、代表取締役社長を務める
現在(2008年10月)、「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催。編集プロデュース。

【著書】
編著「編集者の学校」(講談社)/「週刊誌編集長」(展望社)/「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社)/「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス)/「競馬必勝放浪記」(祥伝社新書)ほか

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