「がんワクチン治療」実用化秒読み!免疫力アップでがん細胞攻撃
2012.02.06 13:01
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研究・臨床試験がすすめられている「がんのワクチン」に実用化の見通しが出てきた。「がんワクチンは自分の免疫力でがん細胞を破壊する驚きの治療方法です。がんワクチン治療だと副作用がなく、再発の予防にもなります」とがんワクチンの最前線を内藤裕子アナが報告した。
医者に見放された膵臓がんに効果
都内に住む佐々木真弓さん(仮名・36歳)は3年前に膵臓がんの手術をしたが、4か月後に肝臓に転移。抗がん剤治療は副作用が強く2回で中止、医師からはもう治療法がないと言われた。「もう死ぬのかと思い、泣きました」と佐々木さん。
そんな時に、千葉徳洲会病院の臨床研究に参加するとがんワクチン治療が受けられることを知った。知慮法は週に1回の注射のみ。結果は1か月目に肝臓がんの進行が止まり、6か月後にはがんの縮小が見られ、1年4か月後にはがんが完全に消えた。
がんにワクチンはどのように効くのか。東京大学医科学研究所の中村祐輔教授が解説する。
「増殖のスピードが速いがん細胞は、攻撃役のキラーT細胞が攻撃しきれないためどんどん増えていきます。そこにペプチド入りのワクチンを投与すると、キラーT細胞は初めから『敵』がたくさんいると認識して、自力でパワーアップして数を増やしがん細胞を叩くんです」