2024年 4月 26日 (金)

カムバック!「休眠資格者」在宅ケア増加で専門職不足深刻・・・ブランク長く復職にためらい

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「介護を受けながら穏やかに自宅で暮らしたい」「病気に向き合いながら自宅で療養したい」

   こんな高齢者や患者が増え、国も医療や介護サービスを在宅中心に移行する方針を打ち出した。ところが、在宅ケアで求められる量的、質的ニーズに応えるには、専門職の人材不足が大きく立ちはだかる。たとえば、看護師の資格を持って実際に働いている人は2012年時点でざっと154万人、25年には206万人が必要になるとされる。今後、年間3万人ずつ増えるとしても25年には13万人が不足すると見られている。

   その人材不足を補う核になると注目されるのが、眠っている休眠資格者たち。現在、資格を持ちながら働いていない看護師は71万人、高齢者の肺炎防止に役立つ歯科衛生士は14万人、リハビリの指導に必要な理学療法士3万人にのぼると見られているが、さて、どこにいるかの把握すら容易でない。

自分一人で責任負う訪問看護は怖い

   今月(2015年2月)、東京・新宿区で資格を持った休眠看護師の再就職を支援する相談会が開かれた。40の病院や施設がブースを設け、80人以上が訪れた。しかし、病院のブースに人気が集中し、訪問看護ステーションのブースに人は少なかった。

   ブーツを開設した東京・足立区の訪問看護ステーションは、現在10人の看護師が在籍し、足立区を中心に100人の在宅ケアをしているが、ここ数年の間に利用者は1.5倍に増え対応が追い付けない状態という。

   なぜ訪問看護が休眠看護師から敬遠されるのか。相談会を訪れた若い看護師は「1対1で接するのにプレッシャーを感じます。自信がない」と話す。訪問看護は同僚や先輩のいる病院とは異なり、基本的には利用者宅を一人で訪れ、点滴などの医療行為を医師の指示で行うのが主な仕事になる。場合によっては、利用者の命を預かる重い責任を担う。結婚とともに看護の職場を離れ、出産、育児のブランクがあるうえ、医療技術は日進月歩で、いきなり訪問看護に飛び込むにはハードルが高すぎるのだろう。

   ただ、そうしたハードルを取り除く工夫をしながら休眠看護師を活用しているところも出始めている。東京・墨田区内の訪問看護ステーションは15人のうち7人が元休眠看護師だ。採用条件は資格を持っていることと自転車の乗れることだけ。ここの特徴はスムーズに復職できる体制を充実させていることだ。

   たとえば、最初の3年間は週に1度先輩看護師が同行して医療ミスなどのリスクを減らしている。さらに、自宅で寝たきりでいる患者の床ずれがひどくなると、スマホで患者の患部を撮影してステーションに送信すると、折り返し医師からの指示が届く。訪問看護師だけに責任を負わせないようにしているのだ。しかし、こうした態勢をとっているケースは少ない。

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